スーパーボランティア尾畠氏の番組「ドキュ大」大賞

引用元:日刊スポーツ
スーパーボランティア尾畠氏の番組「ドキュ大」大賞

28回目を迎えた「FNSドキュメンタリー大賞」の大賞に、テレビ大分が制作した「尾畠春夫 人生は恩返し~スーパーボランティアと呼ばれた男~」が決定した。フジテレビでは来年1月3日午前4時55分から「決定!第28回FNSドキュメンタリー大賞」として放送する。

【写真】山口県周防大島町で男の子を無事救助して感謝状を受け取り、笑顔の尾畠春夫さん

テレビ大分の受賞は初めて。フジテレビ系列28局が、今年1月から5月までに自局で放送した、28のノミネート作品の審査を行った。

尾畠春男さん(80)は18年8月に山口県周防大島町の山中で行方不明になっていた2歳の男の子を無事救助して、一躍“スーパーボランティア”として多くのメディアに取り上げられた。だが、実は本音を語ることが少なく、取材するのが難しい人物だ。遠方からの取材には限界がある中、地元メディアとして、その言動の裏にある真の思いを描いた。テレビ大分は11年から取材をし、尾畠さん本人の活動の意味を理解していたからこそ取材に成功して、地元局の役割を果たした。番組では家族についてなど、知られていない事情も明かされた。

テレビ大分報道部の白井信幸ディレクターは「系列各局の素晴らしい作品がエントリーされた中、私たちの作品をこのように評価していただき、大変光栄です。ユニークなおじいさんだなと思いつつ、被災地を思いやる一途すぎる気持ちの理由は何なのかと、取材を始めて気がつけば8年がたちました。“スーパーボランティア”と呼ばれるようになった展開に驚きも感じましたが、尾畠さんのブレない行動からすると、多くの人の共感を呼んだことは、むしろ必然にも感じられます。番組を通じ、善意の気持ちが少しでも広がったのであれば、制作者としてうれしい限りです。現在80歳の尾畠さんですが、その力が必要とされず、ゆっくりすごすことができる世の中になればいいなと願っています。尾畠さんと出会えて、私も成長することができました。尾畠さん、本当にありがとうございました」と話している。

準大賞は鹿児島テレビ 制作「トラオの夢~病院王・徳田虎雄とその時代~」、特別賞はテレビ熊本制作「実りの秋よ いつまでも」と福井テレビ制作の「聖職のゆくえ~働き方改革元年~」。合わせてダイジェストで放送される。