「蜜蜂と遠雷」「天気の子」が報知作品賞に、新海誠が目指す映画作りとは

引用元:映画ナタリー
「蜜蜂と遠雷」「天気の子」が報知作品賞に、新海誠が目指す映画作りとは

報知新聞社が主催する第44回報知映画賞の授賞式が本日12月18日に東京のザ・プリンス パークタワー東京で行われ、作品賞に輝いた「蜜蜂と遠雷」の監督・石川慶、アニメ作品賞を受賞した「天気の子」の監督・新海誠らが登壇した。

【写真】左から松岡茉優、石川慶、鈴鹿央士。(メディアギャラリー他16件)

石川は「主演4人の役者さんがピアノを本当にがんばってくれて、彼らにこそ捧げられる賞」とメインキャストを務めた松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士に感謝を伝える。「まだ長編映画は2作目。お話をいただいたときも小手先じゃなくて、正面から音楽映画をやろうと話しました。青臭い思いがスクリーンに映るのが映画だと未だに信じています。そういった姿勢を許してくれたスタッフにも感謝を伝えたい」とコメント。花束の贈呈を行った主人公・亜夜役の松岡は「毎日毎日絶対に映像化をあきらめちゃいけないと、祈るように撮影していました。作品賞をいただくことができて、心からうれしいです。そして監督おめでとうございます」と祝福した。

2016年に「君の名は。」が大ヒットを記録したことをきっかけに「アニメ作品も評価したい」という思いで翌年から新設されたアニメ作品賞。そのきっかけを作り出した張本人の新海は「映画より面白いものが世の中にはあふれている。そんな気分から生まれた作品です」と話し、「天気の子」の根底にある思いを明かしていく。優れたUIを持つスマートフォンを例に挙げながら「映画はこんなものと戦わなくてはいけないのかと考えます。でもたまには家から出て劇場に足を運んでもらえるような映画を作りたいと思って『天気の子』を作り始めました。この賞を励みに、これからもなるべくたくさんの人を家から出すような映画作りをしていきたい」と意気込んだ。

授賞式に駆け付けた「天気の子」主演の醍醐虎汰朗は「おめでとうございますより、ありがとうございますの気持ちがいっぱいです。この1年で見える景色が変わって、芸能生活の大きなスタートラインに立たせていただきました」と思いを伝える。同じく主演の森七菜は「空とか路地裏がキラキラ見えるような、いろんな世界の新しい見方を教えていただきました。こうした授賞式の場に来るのも初めてで、また新しい世界を知ることができました」と感謝を述べた。

このほか表彰式には特別賞が贈られた「翔んで埼玉」より、監督の武内英樹、キャストのGACKT、原作者の魔夜峰央が出席した。受賞結果は下記の通り。

■ 第44回報知映画賞の受賞結果
□ 作品賞(邦画部門)
「蜜蜂と遠雷」

□ 作品賞(海外部門)
「ジョーカー」

□ アニメ作品賞
「天気の子」

□ 主演男優賞
中井貴一(「記憶にございません!」)

□ 主演女優賞
長澤まさみ(「マスカレード・ホテル」「コンフィデンスマンJP」)

□ 助演男優賞
成田凌(「チワワちゃん」「愛がなんだ」「さよならくちびる」)

□ 助演女優賞
小松菜奈(「来る」「閉鎖病棟―それぞれの朝―」)

□ 監督賞
佐藤信介(「キングダム」)

□ 新人賞
鈴鹿央士(「蜜蜂と遠雷」)
玉城ティナ(「Diner ダイナー」「惡の華」)

□ 特別賞
「翔んで埼玉」