師走に仙台で遭遇!! 数十分の滞在で一生の財産を得た「異次元のかき氷屋」 こだわりの極意

引用元:夕刊フジ
師走に仙台で遭遇!! 数十分の滞在で一生の財産を得た「異次元のかき氷屋」 こだわりの極意

 【こだわりの極意】

 現在、絶賛放送中のBSフジ「パレドZ~おいしさの未来~」。ほぼドキュメンタリーではあるが、僕には「三石寛太」という役名がある、れっきとしたグルメドラマ。毎回、超一流のシェフが出演し、芝居までしてくれる希有(けう)な番組。そのロケで久しぶりの仙台を訪れたが、そこに衝撃が待っていた!

 ロケが終わり、いつもの流れで駅へ向かおうとした僕に、監督が「この近くにかき氷屋があるからぜひ行ってほしい」という。

 え、かき氷? かき氷って…今、何月だと思ってんの。広瀬川で体が冷えて、ダウン着込んで、駅に向かおうとしてるのにかき氷? しかし、監督は「席押さえたから、よろしく~」的に言い放ち、料理のブツ撮りへ。

 「なんだよ…」と心の中でぶつぶつ言いながら、教えられた店「自家製かき氷 梵くら」に向かえば、狭い階段しかないビルの3階。店内に入れば、大きいテーブルがひとつ。もちろん相席だ。窓側には、これはもう荷物置きに足りないくらいの幅のカウンターらしきスペース。

 だまされた! と思ったが、せっかく来たんでお店のオススメでキャラメルミルクを注文。

 「ウチのはデカいんですけど、普通でいいですか」とお店の方に言われたので、「小盛りにしてください」という声がノドまで出かかったが飲み込んで「普通で」。

 新幹線の時間は迫るし駅でお土産も買いたい。「う~ん!」となってると目の前に巨大な物体が! えええ?! これ、かき氷!! と思ったが、時間がないので急いでひと口。

 ん? んんんんん?! なんだこれ。うまい。うまいじゃん! とまらないじゃん!!

 で、あっという間に食べきり、気づけば、他のお客さんが注文した無農薬レモンを「良かったらひと口いかがですか」の申し出に、躊躇(ちゅうちょ)なくスプーンですくいまくる。

 おわっ、これもたまらん! その後は、これまた他のお客さんのラムレーズンにもスプーンをサクッ! ミルクが~、キャラメルが~、無農薬レモンが~、あんこが~。

 しかもラムレーズンに至ってはすべてのラムレーズン関係のスイーツを超えた、もはや料理だ。

 たった数十分の滞在であったが、一生の財産を得た。まさに、ここは異次元のかき氷屋だ。

 ■高嶋政宏(たかしま・まさひろ) 1965年10月29日生まれ。東京都出身。87年、映画「トットチャンネル」で俳優デビュー。昨年出版した「変態紳士」(ぶんか社)も大ヒットした。CS旅チャンネルで「高嶋政宏の旅番長“激動!ベトナム縦断編”」が放送中。