男を翻弄するデパ地下店員が抱える闇 佐久間由衣の“怪演”が見もの 映画「“隠れビッチ”やってました。」

引用元:夕刊フジ
男を翻弄するデパ地下店員が抱える闇 佐久間由衣の“怪演”が見もの 映画「“隠れビッチ”やってました。」

 【エンタなう】

 クリスマスに向けた甘め、ぬるめの封切りが多い中、映画「“隠れビッチ”やってました。」(公開中)の熱量がフツウじゃない。3年間で振った男が600人と豪語する26歳のデパ地下バイトが抱える闇とは。

 ViViの専属モデル出身の佐久間由衣は本作が初主演。振り切った怪演は本能むき出しで猟奇的に強い。デパ地下のスイーツ売り場で働く荒井ひろみは清楚な外見だが、デートとなると、「勝負服は最も好感度が上がる露出面積15%」「透け感のある素材で下着を連想させる」など恋愛テクを総動員。あらゆるタイプの男性を手玉にとってゆく。

 連戦連勝だったある日、気になる相手(小関裕太)に、負け試合。ひとり落ち込み、泥酔して本性をさらけ出したところを職場の三沢(森山未来)に目撃され、“隠れビッチ”であることを告白する。そんなひろみに、三沢が直球の愛情を注ぐことに。ひろみは封印していた過去と向き合うが…。

 前半のラブコメ的テンポ感は、原作の4コマ漫画を思わせる軽妙さ。後半は一転してドーンと重たくなる。ひろみから徹底的に暴言を浴びせられながら、耐えに耐える三沢とともに、観てるこちらも痛みを感じる。愛することは、痛さに耐えることなのか。題材は極端な事例だが、男目線でみると身につまされるかも。

 シェアハウス仲間の“ヤリマン”彩(大後寿々花)、ゲイのコジ(村上虹郎)がいい味を出している。(中本裕己)