1978年放送、富野由悠季監督『無敵鋼人ダイターン3』 本当に子供向けのアニメ?

引用元:マグミクス
1978年放送、富野由悠季監督『無敵鋼人ダイターン3』 本当に子供向けのアニメ?

 富野喜幸(現:富野由悠季)監督が1978年に送り出したアニメ『無敵鋼人ダイターン3』は、少年が主人公である傾向が強かった当時のアニメのなかでは珍しく、大人の男性である「破嵐万丈」が主人公を務めた意欲作でした。『スーパーロボット大戦シリーズ』への参戦により知名度も高い本作について、ライターの早川清一朗さんが語ります。

【画像】のちの『ガンダム』メインスタッフが多数関わった(10枚)

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 つい先日、いろいろと動画を視聴していると、突然『無敵鋼人ダイターン3』(以下、ダイターン3)のBlu-ray BOXが2019年12月3日(火)に発売されるというCMが流れ始めました。

 まるで歌舞伎役者のようにズバッと見栄を切るダイターン3の雄姿は、筆者が小さいころに目にして以来、決して忘れられないもののひとつです。

『ダイターン3』は1978年から1979年にかけて放送されたロボットアニメで、総監督は『機動戦士ガンダム』(以下、ガンダム)で知られる富野喜幸(現:富野由悠季)氏。

 主人公の破嵐万丈(以下、万丈)は、人類に反旗を翻した火星開拓用のサイボーグ「メガノイド」と戦う青年で、少年を主人公とすることが多かった当時のロボットアニメ作品としては異色の設定でした。万丈は明るくコミカルな性格ですが、メガノイドを開発した破嵐創造博士の次男であり、母親と兄がメガノイド化の実験台として使われ死亡したという暗い過去を持っています。

 ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズにも長く参戦し続けており、主力の一角として活躍する傍ら、ゲームオリジナルの破嵐財閥の党首や謎の富豪としても登場。少年少女が多いチームメンバーたちを、金銭面や精神面で支える大人として、重要なポジションを占めています。シリーズによっては同じ富野監督作品の『無敵超人ザンボット3』(以下、ザンボット3)や、無敵つながりの『無敵ロボ トライダーG7』との夢のコンビネーションアタックを見せてくれるなど、かなり優遇されている作品と言えるでしょう。

 さて、そんな『ダイターン3』ですが、筆者は子供の頃から何度も観ています。ところがどんな作品だったのか思い出そうとすると、なぜかダイターン3の変形シーンや必殺技の「サン・アタック」くらいしか思い出せません。果たして『ダイターン3』はどんな作品だったのか。その時、ちょうど1話が無料配信されていたタイミングだったので、見返してみることにしました。