周防正行監督、重要文化財・旧広瀬座で映画『カツベン!』凱旋上映

引用元:AbemaTIMES

 12月12日、福島県福島市内の重要文化財・旧広瀬座にて、明日から公開される映画『カツベン!』の凱旋上映が行われ、周防正行監督が舞台挨拶を行った。

 周防監督が今回選んだテーマは「活動弁士」、通称“活弁(カツベン)”。サイレントのモノクロ映画に楽士の奏でる音楽と共に、独自の“しゃべり”で観客を引き込む七色の声を持つ天才的な活動弁士の主人公には、本年度アカデミー賞新人俳優賞を受賞した成田凌が抜擢。「声」にまつわる壮絶なオーディションを勝ち抜き、映画初主演に挑戦する。ヒロインには若手最注目の黒島結菜。さらに永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊、池松壮亮、成河(ソンハ)、酒井美紀など周防組初参加の面々に加え、竹中直人、渡辺えり、小日向文世、山本耕史ら周防作品おなじみの実力派キャストたちが集結。今まで自ら脚本も手がけてきた監督が、長年周防組の助監督をつとめてきた片島章三氏が書いた脚本にほれ込み、自身初となる自らが書いていない脚本の映画化へ挑戦する。

 旧広瀬座は、明治20年に建築された木造の芝居小屋。大衆娯楽施設として、長年地元に人々に愛され、現在も保存されている。 映画『カツベン!』では、本編中の主人公たちが活躍する劇場青木館(旧字にして下さい)として、昨年10月からの約1ヶ月、カツベンシーンを含む、主要なシーンを撮影した劇場。周防監督は、撮影から久々に現地入りした。

 この日は、旧広瀬座の旧広瀬座による旧広瀬座のための“芝居小屋”シネマ「旧広瀬座×カツベン!」として、福島市長 木幡浩、文部科学副大臣 亀岡偉民、文化庁長官 宮田亮平らと、市民を含めた総勢120名が集結、ぎっしりの会場は、往年の賑やかさを彷彿とさせる上映会となった。

 挨拶に立った周防監督は、「去年の10月の半ばから11月にかけて、ここで撮影した。ロケ地を探すため、全国を調べて、ここにした。明治時代に建てられたこの芝居小屋をこんなに綺麗に保存していただいて、素晴らしいと思う。 しかも撮影の際には、エキストラの皆さんに毎日、大勢来ていただいた。時代劇ということで、早朝から来ていただき、メイク、衣装を着て、お子さんの中には、丸坊主になっていただいた方もいた。この空間の暖かさがあって、初めて、成田さんの素晴らしいカツベンが完成した。それまで会議室でずっと練習していたが、この場で、素晴らしい出来になったのは、福島の皆さんのおかげ。感謝しています」と、地元の行政、ボランティア、エキストラの方々に、感謝を述べた。

 小幡 福島市長、宮田武官長長官は、この旧広瀬座を、今後も、福島の文化のシンボルとして、活用することを明言、その先鞭をつける映画『カツベン!』の功労に、感謝を述べた。