人徳のある方、背中で芝居をする役者…昭和の名優・梅宮辰夫さん(81)死去。親交のあった山田雅人と高橋克実がグッディスタジオで語る

12日朝、俳優の梅宮辰夫さんが慢性腎不全のため亡くなった。81歳だった。

梅宮さんは2019年1月に尿管がんの手術で尿管と腎臓を摘出。それ以来、週に3日、人工透析を受ける生活を余儀なくされていた。
しかし関係者によると、11日までふつうに会話ができる状態で、12日朝になって急に容体が悪化したという。

【画像】多くの映画やドラマに…梅宮さんの経歴

「直撃LIVEグッディ!」は梅宮さんと20年来の付き合いがあり、梅宮さんが救急搬送された時に立ち会ったという友人に話をうかがうことができた。

【通報した20年来の友人に聞いた、12日朝の梅宮さんの様子】
・午前6時前、妻・クラウディアさんが梅宮さんの異変に気付き、東京の友人へ電話
・東京の友人から連絡を受けた友人が駆け付けると、梅宮さんは1階のソファでパジャマ姿だったという。クラウディアさんは「パパ!パパ!」と呼びかけるも、反応のない梅宮さんを前にやや取り乱している様子だった
・友人が119番通報し、午前6時すぎに救急隊が到着。梅宮さんは救急搬送された
・午前7時40分、慢性腎不全で死亡が確認された

10日には釣り仲間との忘年会に出席し、梅宮さんは「今年中にもう1回忘年会をやるぞ」と楽しそうに話していたという。
友人によると、12日朝の梅宮さんは眠るような表情だったという。

大けがの際に見せた梅宮さんの心遣いとは

さらにグッディ!はスタジオで、晩年の梅宮さんと親交のあったタレント・俳優の山田雅人さんから、最近の梅宮さんの様子について話を伺った。

山田雅人さん:
僕は1人の人物の生涯を言葉だけでつづる舞台をやっておりまして、2018年3月に梅宮辰夫さんのディナーショーで「梅宮辰夫物語」をやらせていただいたんです。そのディナーショーの司会も僕が担当させていただきました。

ヨネスケ:
山田さんは「長嶋茂雄物語」とか、いろいろスターの方を物語にして、語りをするんですよね。

安藤優子:
去年のディナーショーでご一緒されたんですね。これ、そのとき梅宮さんはおケガをされたんですよね。

山田雅人さん:
当日、リハーサルの前に会場のホテルに到着されてすぐに、玄関でお転びになって病院に搬送されたんです。血だらけになって、「みんな中止にしよう」って言ったときに梅宮さんが「待ってくれ、俺は戻ってくる」と。みんな止めたんですけど「大丈夫だよ、山田君。俺は東映で血は慣れてる」とおっしゃって。病院に運ばれて、手術して30針縫われて、そのまま来たんですよ。僕がびっくりしたのは「お客さんが来るから、山田君、頼むからこれを笑いにしてくれ。オペラ座の怪人と紹介してくれ」と言われたこと。そのあとはスタッフ、私たちに「本当に申し訳ない、こんな大事な時に転んだ俺を許してくれ」と謝られました。

安藤優子:
この時サングラスをされて、腫れや痛みもひどかったと思うんですが…。

山田雅人さん:
麻酔が切れた状態で舞台に登場されたんですよ。それでも私の語りを1時間、ずっと隣で座って聞いてくださって。そのすぐあとには歌を歌われていました。僕が印象に残っているのは、去年からずっと「人間は生まれてから死に向かって生きていくから、けがや病気は途中経過。だから俺はどんな大ケガをしても前に行くんだ」と。そういうことをおっしゃっていました。

安藤優子:
だから、ケガをされてもそれを押して出られたんですね。山田さんは、きょうの訃報はどのようなタイミングでお聞きになりましたか?

山田雅人さん:
本当に急に飛び込んできて、言葉が出なくて…。この番組からお誘いいただいて、どうしようかと思っていたので、すぐに事務所の社長さんに連絡とりまして。そうしたら「出てください」「とにかく梅宮さんのことを話してほしい」と。そして、こちらにお邪魔させていただいています。