令和初のプリンセス、舞空瞳がプレお披露目公演でロックにポップに躍動!

引用元:スポーツ報知

 宝塚歌劇星組の新トップ娘役・舞空瞳(まいそら・ひとみ)が、プレお披露目公演「ロックオペラ モーツァルト」(潤色&演出・石田昌也)の東京公演(「東京建物 Brillia HALL」で15日まで)で、ロックにポップに躍動している。今年4月に花組から組替えされ、10月から礼真琴と新トップコンビを組む、2016年の首席入団者。華も実もある令和初のプリンセスは「舞台人としては変わらずに、思いやりと愛が自然と現れる娘役さんになりたい」とキュートな笑みを浮かべる。(筒井 政也)

 音楽の神に愛された天才モーツァルトの妻となるコンスタンツェ役。史実では悪女とも評されるが、今作では「シンデレラのような感じ。真っすぐすぎて、ちょっと浮いている存在」というピュアなヒロイン像で、元気はつらつ、時にはしっとりと演じ分けた。定評のある歌も心地いい。礼とのデュエットは、美声でならす望海風斗(のぞみ・ふうと)&真彩希帆(まあや・きほ)の“雪組・耳福コンビ”を追随する勢いだ。

 星組の新時代を礼と担う逸材は「今年に入ってから、いろんなことが一気にありましたが、まさか、このような(立場の)自分に巡り会っているとは。想像もしていなかった」と、激変した1年を振り返る。

 今年4月、花組からの異動で、3年前に初舞台でお世話になった星組へ移り、その半年後には礼とトップコンビを組むことに。就任を聞いた瞬間は「時が止まりましたね(苦笑)。責任がすごく大きい」と震えたが、礼の懐の深さが安心感をもたらしてくれる。

 6期上の、同じく首席入団者。「客席から拝見させていただいた時は、何をされてもカッコよく、熱い心が舞台にあふれていらしゃった。実際ご一緒して、尊敬しかない。それプラス、普段からお優しくて、どんな時も同じ目線で手を差しのべてくださる、心の器の大きい方。いい意味で思いっきり、全身全霊でついていくのみ。同じ方向、目標に向かって、ご一緒に走らせていただくことが幸せなので」。礼からは「いろいろやっていいよ」と常に挑戦を促されている。

 早くから注目を集め、なるべくしてなった立場にも映るが、自己評価は「ダメダメです。不器用。芸事も何回もやらないと(身に)入ってこない。細かい作業も苦手で、アクサセリー作りも、とんでもなく時間がかかちゃう。料理もやっていると楽しんですが…味は自信はないです(苦笑)」。壁にぶつかると、映像を見返すのが花組時代の「ハンナのお花屋さん」(17年)。純粋無垢なタイトルロールの娘を演じた。「まっすぐな心を思い出します」。役に学び、新星・星組でも鮮やかな花を咲かせていく。

 「今でも休日にはずっと宝塚を見ていたいと思うぐらいの大ファン。やはり、男役さんの横で、幸せな思いがあふれていらっしゃる娘役さんがステキですね」。本作でもモーツァルトの隣で笑顔がはじけている。

 来年2月に開幕する本拠地お披露目公演「眩耀(げんよう)の谷 ~舞い降りた新星~」では、また違う表情を見せてくれるはずだ。「宝塚の中国物が大好き。いろいろ調べるのも好きなので、今まで以上に丁寧に頑張ります!」。タカラヅカの新・百年史に礼とともに名を刻む。

 ◆舞空 瞳(まいそら・ひとみ)8月27日生まれ。神奈川県横浜市出身。2016年に首席入団した第101期生。同年3月「THE ENTERTAINER!」で初舞台。入団時の芸名は舞空美瞳(みみ=のちに改名)。花組に配属され、19年4月に星組に組替え。両組で新人公演ヒロイン1度ずつ、花組時代に全国ツアーヒロインを経験。19年10月に星組トップ娘役就任。身長164センチ。愛称「ひっとん」。今年11月、オリックスグループの社会貢献活動のイメージキャラクターに起用された。

報知新聞社