宮川花子、病気が進行も化学療法成功/医師の説明

引用元:日刊スポーツ

血液のがんの一種である症候性多発性骨髄腫で闘病中だと公表した漫才師、宮川花子(65)は11日、夫の宮川大助(70)と大阪市内で会見に臨み、奈良県立医科大学付属病院の天野逸人医師(58)も同席し、病状の経過を説明した。

【写真】血液のがんの一種である症候性多発性骨髄腫で闘病中だと公表し、会見する宮川花子

天野医師によると、最初の異常は、昨年3月だった。寛平マラソンで12キロほどのウオークを行った際、大助も花子が「しんどそうだった」と振り返っているが、この3日後に腰痛のため、近くの整形外科を受診した。第2、第5腰椎に腫瘍が見つかり、CT検査の結果、がんの転移ではなく、骨に腫瘍があることが明らかになった。

当初、「余命6カ月」の可能性を指摘されたのは、この最初の整形外科医で、精密検査の前段階でのこと。一般的に「背中へのがんは、転移なら最終段階」として、あくまでもその可能性を指摘したもので、翌日の検査結果から、骨腫瘍によるもので、転移ではないことから「余命6カ月」は取り消されたと説明した。

天野医師によると、この時点では血液のがんのひとつ「形質性細胞腫瘍」ではあるが、骨髄へは広がっておらず、大阪市内のクリニックで、放射線照射により腫瘍が消失。病状の悪化をはかる検査を定期継続したまま、仕事を継続していた。その検査で今年1月に数値が悪化していると判明。入院による化学療法の選択肢もあったが、奈良での治療と仕事の両立は困難なことから、大阪府内の病院を紹介したという。

花子は、その大阪の病院で、抗がん剤による副作用の説明を受け「踏ん切りがつかなかった」と振り返っているが、天野医師は「てっきり治療を受けているものと思っていた」。6月になって、大助から連絡があり、緊急入院に至った。

全身7カ所の腫瘍のうち、右目上の腫瘍は5センチに及び、視力にも影響を及ぼし、右肩の腫瘍で、右手が不自由に。胸椎の腫瘍などの影響で、両足の神経がまひしていた。

ただ、ここまで進んでも、がんの進行ゆえ、花子は「痛みを感じなくなって」おり、背中には褥瘡(じょくそう)もあった。

天野医師は「あちこちに病気が進行している」状態だったが、化学療法が「すごく効果があって」治療は成功。「皆さん、ご安心ください」と、予後の明るさを強調した。

花子によると、幸いにも、抗がん剤治療の副作用は重篤ではなかったといい、リハビリも順調。天野医師も、当初はまひした神経の回復に大きな不安もあったが「リハビリを始めて11日ぐらいで、左足がピクッと動いた」ことから、劇的にリハビリも進行。「今は両足とも、自分で動かせる状態になっている。低下した筋力が戻れば(歩行も可能)」とした。

完治が難しい病気ではあるものの、医学の進歩で「病気と付き合っていく」時代だとも言い、天野医師は「将来的に、名人芸を、大助花子の漫才を見ていただけるまでに回復させたい」とも約束した。