『CONTROL』レビュー

引用元:IGN JAPAN

Remedyにはもっと多くのゲームを作ってほしい。同スタジオが奇妙で心を奪うような世界を作るのに非常に長けているということを『CONTROL』があらためて教えてくれたからだ。『CONTROL』は現時点でRemedyの最も奇妙な作品であり、しゃべる逆さまピラミッドがプレイヤーのボスであるという事実すら、この作品の中ではそれほど奇妙なことではない。見事な脚本、たくさんのかっこいい超能力アビリティ、緻密に構成された素晴らしい世界といった要素により、この楽しい冒険が成り立っているということを私はすぐに理解した。
ジェシー・フェイデンは魂のような存在であるポラリスとともに連邦操作局に潜入する。そして気づけば私はこのゲームに魅了されていた。最初のうちは連邦操作局の本部が殺風景でよくある事務所のようだと感じていたし、ジェシーの過去の謎を解き明かすという目的も同じくらいありふれたものに感じた。だが、『CONTROL』ではこのコンクリートの建物の中に隠されている秘密がすぐに明らかになる。私は最初のチャプターのうちに建物の管理人の部下となり、連邦操作局の新しい代行指揮官にも任命された。

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ジェシーの冒険は、さまざまなキャラクターの問題を解決するために寄り道することもある 。 連邦操作局の新しい指揮官となるのは退屈だと思うかもしれないが、この場所はたくさんの奇怪で特徴的なキャラクターで満たされており、ヒスと呼ばれる異世界からの侵略者にも襲われている 。 そのため、予想通りの展開にはなかなかならない 。 私は「X-MEN」シリーズを見て育ったので、ある日突然、自分のなかに秘められていた超能力が花開いたりしないだろうかと夢想していた 。 『CONTROL』の超能力アビリティのラインナップは、そんな超能力を使ってみたいという私の願望を叶えてくれるものだ 。 そしてRemedyは、そのひとつひとつの超能力アビリティを使っていて楽しいものにしている 。 超能力アビリティのバラエティは10時間の本編を楽しむには十分なほどで、ほぼすべてのアビリティに意味があると感じられる 。 ジェシーのテレキネシスはそのアビリティの中でも一番スゴく、私はこの超能力を一番よく使っていた 。 彼女の手からの波動によって、箱、テーブル、それにいつでも頼りになるコンクリートの塊といったものがプレイヤーのそばに引き寄せられる 。 その後、引き寄せた物体がブゥンという音と共に敵や破壊可能な場所に投げつけられるのだ 。 テレキネシスは『ゴッド・オブ・ウォー』のクレイトスが使う斧、リヴァイアサンが生み出す快感の大きさには勝てないが、超能力で重たいオブジェクトを発射する瞬間はあの快感に迫る気持ちよさだった 。 シールドを発生させる超能力は、プレイヤーがテレキネシスを使用する敵から身を守らなければいけないときにとても役立つ 。 『CONTROL』での戦闘では、プレイヤーはつねに動き続けることが求められ、生き残るためには敵の攻撃をかわすための遮蔽物を探す必要がある 。 戦いで前に出すぎれば、すぐに死んでしまう 。 超能力で相手を殴打する近接攻撃は序盤のうちは有効で使っていて楽しいが、この攻撃はあまり頼りにしないほうがいい 。 後ろに下がってオブジェクトを発射していき、変形する銃「サービスウェポン」のさまざまな形態を活用するほうがほとんどの場合、より良い戦略なのだ 。 だが、戦闘のバラエティは不十分である 。 『CONTROL』の主な敵の種類はせいぜい5つくらいだ 。 これらの敵はゲームを進めていくと徐々に強くなっていくが、終盤のチャプターでは同じような展開になっていた 。 また、ゲーム内で多くのことが発生すると、PS4 Pro上でさえもよく処理落ちが発生する 。 もっとも、この欠点のせいで私が「オールデスト・ハウス」を探索するのをやめてしまうということはない 。 オールデスト・ハウスは『CONTROL』のメインの舞台となる場所で、連邦操作局の本部である 。 Remedyは、この灰色のコンクリートに包まれた建物のすべてを魅力的な場所にすることに成功した 。 ここはいくつかの独立したビジネスセクターに分けられている 。 「会社」という全体的なテーマは存在するものの、それぞれのエリアからは違った雰囲気を感じ取れる 。 それはこの場所で何が起こったのか、そしてどうやってこの場所を救えばいいのかと私に考えさせてくれる 。