『ロッキング・オン』の毎年恒例「年間ベスト・アルバム50」を発表! 2019年を代表するアルバムはあの1枚

引用元:rockinon.com

ビリー・アイリッシュが登場したことの意味は図りきれないほど大きかった。フー・ファイターズのデイヴ・グロールは「彼女は1991年のニルヴァーナと同じだと思う」と言ったが、彼女の存在が音楽シーンに与えている影響はもはやそれ以上である。彼女の音楽にはグランジやパンクが背負っていた党派性はなく、前世代への反発や、メジャーシーンに対する反逆、といった構図も存在しない。音楽とは関係のないムーヴメント的な摩擦や闘争から無縁のところで、17歳のビリー・アイリッシュは世界中のリスナーやアーティストの頭の中のポップミュージック観そのものを修正・更新してしまったのだ。これは本当に凄いことである。

そして2019年のポップミュージックシーンは、そんなビリーの登場が象徴するかのように、これまでの10年代に起きたさまざまなテーゼやテーマがそれぞれに止揚されてポジティブに20年代に進んでいこうとしている空気に満ちている。

ストリーミングが本格的に浸透し始めてからの10年、メジャーとインディーのアーティストたちの自由なコラボが活発化した10年、グラミーなど旧来的な権威が価値観の変換を迫られた10年、ロックが商業的に明らかに失墜した10年、アーティストの低年齢化が進んだ10年、そんな2010年代の最後の年に、それぞれのアーティストがそれぞれの形でこの時代をきっちりと飲み込んで消化した良作を生んだのが今年だったと思う。

ビリー・アイリッシュ、ポスト・マローンからヴァンパイア・ウィークエンド、コールドプレイ、そしてベック、トゥールからイギー・ポップ、カニエ・ウェスト、リアム・ギャラガー、スリップノット、タイラー・ザ・クリエイターなどなど、決定版とも言えるキャリアの傑作が並ぶ2019年をしっかりと振り返りたい。(編集長 山崎洋一郎)

また、「年間ベスト・アルバム50」特集には以下のコンテンツも掲載されている。

◯山崎洋一郎 × 高見展 × 粉川しのによる2019年を振り返る総括鼎談
◯シーン別2019年徹底考察(ヒップホップ/R&B、インディ/オルタナティブ・ポップ、クラシック・ロック、エレクトロニック/ダンス、ハード・ロック/ヘヴィ・メタル、エクスペリメンタル/ジャズ)
◯星野源 2019年の洋楽ベスト・アルバム5枚を語る!

「年間ベスト・アルバム50」特集の記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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