7月に田代まさしが出演したEテレ『バリバラ』、容疑者逮捕を受け「いまこそ薬物依存を考える」12日放送

引用元:デビュー

 今年7月『バリバラ』(Eテレ毎週午後8時)に出演し、「今日1日だけ、とりあえずやめる努力は怠らないってことはみなさんにお約束したいと思います」と語っていた田代まさしが、放送から4ヵ月後月後の11月に覚醒剤の所持・使用容疑で逮捕された。この事実を受けて『バリバラ』は、12月12日に急遽「いまこそ薬物依存を考える」を放送。スタジオを飛び出し、田代が通っていたリハビリ施設「日本ダルク」を訪問。田代と一緒に回復を目指してきた人や専門家とともに、依存症とどう向き合っていけばいいのかについて、あらためて考える。

【写真】『バリバラ』より、薬物依存の解説。

 精神科医の松本俊彦氏によると、依存症者にとって薬物をやめるのは意志の問題ではなく、特効薬もないという。治療プログラムを受け回復するにも長い時間がかかり、その間、何度も再発を繰り返しながら、安定した断薬に向かうのだ。ダルクに集う人たちも、仲間たちと支え合いながら、薬物を一日一日やめ続けているのだと言う。

 松本医師は、薬物依存症になりやすいのは、そのときにしんどい状況を抱えていたり、心や体に痛みを抱えていたりする人なのだという。田代は、薬物に手を出した理由について、人気絶頂時の多忙とプレッシャーについて告白していた。そういう人ほど薬物の快感が脳にすり込まれてしまうのだ。なぜ薬物に手を出したのか、ダルクに来る薬物依存症当事者の一人は「つらい時、誰も理解してくれないときに、薬を使うと慰めになった」と語る。

 回復プログラムを受けている参加者は、薬物のイメージ映像で、白い粉が映し出されるたびに使いたくなると語った。松本医師の診療の現場でも、著名人の薬物報道が大々的になされるたびに、治療している患者さんたちの再使用が増えてしまうのだという。また、逮捕された後に、たくさんの人間関係を失い、戻る場所が減ってしまう現実もあるという。孤立し、孤独になってしまった人がますます薬物への依存を深めてしまう悪循環をどう断ち切ればいいのかについても、参加者たちで語り合った。

 『バリバラ』の放送は12月12日(木)午後8時よりEテレにて。