池松壮亮「ノーギャラでも参加したい」と太鼓判! 現役猟師に迫るドキュメンタリー予告編

引用元:映画.com
池松壮亮「ノーギャラでも参加したい」と太鼓判! 現役猟師に迫るドキュメンタリー予告編

 [映画.com ニュース] 再放送希望が1141件も届いたNHKの傑作ドキュメンタリーをベースにした、“完全新生映画版”「僕は猟師になった」の予告編がお披露目された。京都大学出身の現役猟師で、2008年に出版された著書「ぼくは猟師になった」で“狩猟ブーム”の先駆けを担った千松信也氏の暮らしに迫る本作。ナレーションを務めた池松壮亮は「たとえノーギャラでも参加したいと思える作品でした」と太鼓判を押している。

【フォトギャラリー】ナレーションを務めた池松壮亮

 “狩りガール”と呼ばれる狩猟をする女性の増加や、「山賊ダイアリー」「罠ガール」など狩猟マンガのヒットなど、若者を中心に注目を集める狩猟の世界。2018年に放送されたNHKのドキュメンタリー「ノーナレ けもの道 京都いのちの森」は、京都の街と山の境に暮らす罠猟師・千松氏の“平凡な日常”をとらえた。イノシシや鹿を罠でとらえ、木などで殴打し、気絶させてからナイフでとどめをさす――千松氏が命を向き合うために選んだ営みに、残酷だという非難をはるかに超える“憧憬”が集まった。放送後、NHK取材班はさらに千松氏の暮らしを追うべく、300日の追加取材を敢行。およそ2年間の映像を編集し直し、“完全新生映画版”を完成させた。

 池松のナレーションが流れる予告編では、イノシシの骨からスープをとった“いのこつラーメン”を作り、野草や木の実を採集し、自然から四季折々の恵みを受ける豊かな生活が垣間見える。見る者はけもの道に罠を仕掛ける作業、獲物と命のやり取りをする現場など、知られざる猟師の世界に誘われていく。千松氏は「動物とちゃんと向き合う。動物の命を奪うということも含めて、自分でやりたい」と語っている。

 池松は「『命を奪うことに慣れることはない』。千松さんの自然界との向き合い方に心から感動しました」と印象を明かす。「僕は30年前に生まれ、肉や魚、水や木々や種を、つまり生きとし生けるものの命を何不自由なく貰って生きてきました。そこに責任や罪の意識は、親や先祖のおかげで何一つ無かったと言えます。環境問題やアニマルライツ、様々な問題が浮き彫りになるこの世界で、今このドキュメントを届けたいと、切に思います」と心情を吐露した。

 伊藤雄介プロデューサーは、「CMや映画のスクリーンから聞こえてくる池松さんの声が、『言葉よりも背中で語る、森の哲学者』という千松さんのイメージにぴったり重なると思いました。ナレーション撮りが終わってご挨拶の際に、『僕、すごく好きです。千松さんの生き方。今回は、少しだけ、お役に立てたような気がします』。はにかんだ笑顔で去っていく池松さんの姿が昨日のように思い出されます」とコメントを寄せた。

 「僕は猟師になった」は、6月6日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。