志村けん、山田洋次監督作「キネマの神様」出演辞退

引用元:映画.com
志村けん、山田洋次監督作「キネマの神様」出演辞退

 [映画.com ニュース] 新型コロナウイルスに感染し都内の病院に入院中の志村けんが、山田洋次監督の最新作で菅田将暉とのダブル主演作「キネマの神様」の出演を辞退することになった。所属事務所と配給の松竹が3月26日、発表した。

 所属事務所であるイザワオフィスの井澤健社長は、「今年70歳を迎えた志村にとって、本作品は人生で初の主演映画ということもあり、大きな勇気と強い意気込みで臨んでいました。それだけに、山田組の皆様にご心配とご迷惑をおかけする事になってしまい、志村も私共も、大変申し訳なく思っております。そこで此度、出演を辞退させて頂くことに致しました。作品のご成功を心よりお祈りすると共に、志村が病に勝ち、いつかまた山田組の皆様と一緒に撮影をさせて頂くことを願っております」とコメントを寄せた。

 松竹の大角正常務取締役映像本部長も「出演ご辞退のお申し出を頂き、大変残念でなりません。しかしながら、治療に専念いただくことを山田監督も望んでおり、お申し出をお受けすることとさせて頂きました」と無念の様子。そして「山田組一同、いつかまた志村さんとご一緒できることを強く願っています。そしてなによりも、志村さんが一日も早くご回復さ
れることを、心よりお祈り申し上げております」と山田監督の思いを代弁している。

 「キネマの神様」は、数々の文学賞を受賞してきた人気小説家・原田マハ氏の同名小説を原作とした作品。原田氏が、自身の家族、経験をもとに書き上げた思い入れ深い小説を、山田監督が松竹らしい“家族”をテーマとした映画として描く。無類のギャンブル好きなゴウは、妻・淑子や家族に見放されたダメ親父だが、無類の映画好きだった。行きつけの名画座の館主・ テラシンとゴウは、かつて映画の撮影所で働いた仕事仲間。若き日のゴウたちは、時代を代表する名監督やスター俳優に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかし、2人がともに食堂の娘へ恋心を抱いたことで運命の歯車が狂い始める……。

 「鉄道員(ぽっぽや)」以来、21年ぶりの映画出演(実写作品)となる志村は、主人公のゴウ(現代)に扮する予定だった。菅田は若き日のゴウに息吹を注ぎ、志村とともに“2人1役”に挑むことが大きな話題となったが、実現することは叶わなかった。同作には永野芽郁、宮本信子も出演している。松竹によれば、新たな出演者や撮影スケジュールは現時点で未定だという。