WANIMAが緊急配信した“春を待って”が今の私たちに伝えること

引用元:rockinon.com
WANIMAが緊急配信した“春を待って”が今の私たちに伝えること

現在開催中の全国ツアー「COMINATCHA!! TOUR 2019-2020」の一部開催中止を決めたWANIMAが、新曲“春を待って”を緊急配信した。

「ツアーを楽しみにしていた方々や音楽が支えになっている方々に最速で届けたい」という想いでレコーディングされた“春を待って”は、今回のツアー(アリーナ編)で、CD未発表の新曲として演奏していた曲だ。中止を決定した2月29日の福井公演の日からレコーディングをスタートしたという。

幸運にも、私は1月29日の横浜アリーナ公演でこの曲を聴くことができた。その曲紹介で、KENTA(Vo・B)が、「この曲ができたときに、真っ先にいま苦しいところにいる人に届けばいいと思った」と言っていたのを、よく覚えている。ライブレポートには、「やがて美しい花を咲かせるために、長い冬を耐え抜く私たちの人生を包み込むような、大きな包容力を持った曲だった」と書いた。性急にツービートを刻み、エネルギッシュな生命力を湛えながら、《長く暗いトンネル》にある微かな光に向かって、優しく後押しする。それは、いま先行きの見えない現状に耐え、これまでどおりの生活を取り戻せる日を待ち続ける私たちに、まさに必要な曲としての意味を帯びて響くのも事実だと思う。要するに、WANIMAは、ずっとそういうことを歌ってきたバンドなのだ。それぞれの人生のなかで困難に喘ぐ日々はあるけれど、「ともに」乗り越えて、いまを生き抜こうと、たくさんの曲で訴え続けてきた。“春を待って”もまた、そんなWANIMAの本質がブレることなく貫かれた曲だ。

オフィシャルホームページでは、“春を待って”の緊急配信に寄せて、「こういう時こそ視野を広く持ち、誰かを攻撃するのではなく守ってあげて人としての本質を見失わないように」(一部抜粋)とコメントを寄せている。ライブで直接音楽を届けることを何より大切にしてきたWANIMAが、いま、“春を待って”をデジタル配信したことは、WANIMAが選んだ答えだ。ここから多くの人生に寄り添っていくいであろうこの曲を、一日も早くライブで聴ける日が来ることを願っている。(秦理絵) rockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)