“神の左手”発動 近藤誠一、抜群の選択で会心トップ 解説者も「忘れられない一局」と大絶賛/麻雀・Mリーグ

引用元:AbemaTIMES
“神の左手”発動 近藤誠一、抜群の選択で会心トップ 解説者も「忘れられない一局」と大絶賛/麻雀・Mリーグ

 Mリーグ2019 朝日新聞セミファイナル・3月23日の1回戦で、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)がセミファイナルチーム初トップを決めた。

【映像】近藤誠一の打ち回しが冴えた試合

 対局者は起家からKONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠(連盟)、近藤。

 近藤は、スケールの大きい麻雀を貫きレギュラーシーズンでは個人スコア3位とチーム首位通過に大きく貢献していた。いついかなる時でもその姿勢は変わらず、セミファイナル初日、3月16日の2回戦においても、自身が納得する最終形を目指し、たとえ親番であってもテンパイを5回外したこともあった。

 沢崎が快調にアガリを重ねてリードを広げていた中、近藤が魅せたのは東4局5本場だった。赤牌2枚入りの配牌をもらった近藤は、3巡目に赤5万を持ってきて赤牌をすべて手中に収めた。だが5巡目には沢崎が發を仕掛け、9巡目には前原と瑞原からリーチが飛んできた。絶体絶命かと思われた同巡、沢崎から瑞原のリーチ宣言牌だった4索が打ち出された。

 この時点でイーシャンテンだった近藤は、沢崎から切られた4索をチーして2索を切ればタンヤオ・赤3、ドラ三万のカンチャン待ちで、親満1万2000点のテンパイが入る場面だったが、近藤は秒も悩まず、その左手は山に向かった。

 解説の土田浩翔(最高位戦)も「子の2人からリーチがかかって追い込まれた親で、4索チーしない親が何人いますか」と驚嘆した次巡、ドラ三万を自ら引き入れた近藤は呼吸を整え、赤5索を切ってリーチを宣言。これをリーチ・平和・赤2・ドラ・裏ドラの1万8000点(+1500点、供託3000点)で瑞原から仕留めると「やっぱり近藤は名局勝負製造機」「いいドラマよ」「近藤ここにあり」「これが近藤誠一!」「役者が違う、これぞ夢芝居」とファンもその豪胆ぶりに魅了された。

 勝利者インタビューでは東4局5本場を振り返り「カン三万の待ちが自信がある待ちではない。逆に三万さえ埋まればなんでも勝負してやろう」と考えていたことを明かした。

 「今シーズン、忘れられない一局。プロって、どれぐらい忘れられないプレーを見せられるかが仕事」と土田に言わしめたスーパープレーは、ファンの脳裏にも深く刻まれたに違いない。【福山純生(雀聖アワー)】

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