「魔女の条件」から「過保護のカホコ」まで…『弥生、三月』遊川和彦は恋愛ドラマの名手!

引用元:Movie Walker
「魔女の条件」から「過保護のカホコ」まで…『弥生、三月』遊川和彦は恋愛ドラマの名手!

最終回の視聴率は関東地区で40.0%を記録し、社会現象となった「家政婦のミタ」(11)を筆頭に、数々の大ヒットドラマの脚本を手掛けてきた遊川和彦が、完全オリジナル脚本で挑んだ映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』が3月20日より公開中だ。

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『弥生、三月 -君を愛した30年-』は運命的に出会った男女2人が紡ぐ、30年に及ぶ時間を“3月だけ”のエピソードで描いていく異色のラブストーリー。主人公・結城弥生を波瑠、彼女の運命の人となる山田太郎役を成田凌が演じている。また弥生と太郎の親友・サクラ役には、遊川監督が脚本・演出を手掛けたドラマ「ハケン占い師アタル」でヒロインを演じた杉咲花がキャスティングされているほか、ドラマ「中学聖日記」でデビューした岡田健史が映画初出演を果たす。

この映画が2つ目の長編監督作となる遊川は、ドラマファンにはおなじみの名脚本家として知られるクリエーター。87年に「うちの子にかぎって…スペシャルⅡ」で脚本家としてデビューした彼は、89年放送の「ママハハ・ブギ」、「予備校ブギ」(90)、「ADブギ」(91)の“ブギ3部作”を手掛け、一躍ヒットメーカーの仲間入りを果たす。その後も「GTO」(98)や「女王の教室」(05)など一風変わった設定の学園ドラマから、「家政婦のミタ」といった異色のホームドラマまで、あらゆるジャンルの作品を高視聴率に導いていった。そして19年に放送された「同期のサクラ」では、高畑充希演じるヒロインのサクラとその仲間たちが繰り広げる波乱の10年間を、全10話で描きだし、多くの視聴者の共感を集めた。

そんな遊川が脚本を手掛けた名作ドラマとして知られる作品の一つが、とある高校を舞台に女性教師と男子生徒の禁断の愛を描いた99年のドラマ「魔女の条件」だ。女性教師・未知役には、ドラマ「GTO」に続いて遊川作品に起用された松嶋菜々子がキャスティングされ、生徒の光を滝沢秀明が演じた。恋に堕ちていく教師と生徒の心情、さらに周囲との間に生まれる軋轢をシリアスな筆致で描き、大きなインパクトを残した。

そして近年の傑作として名前が挙げられるのが、竹内涼真をブレイクへと導いた2017年のドラマ「過保護のカホコ」。究極の箱入り娘として過保護に育てられた加穂子(高畑充希)が、児童養護施設育ちの苦労人・初(竹内)に対し真っ直ぐかつコミカルにアタックしていく様子が視聴者の心を掴んだ。

また遊川はNHK連続テレビ小説の脚本も担当。第87作となった「連続テレビ小説 純と愛」では、沖縄と大阪を舞台に激情型のヒロイン・純(夏菜)と、他者の心が見えるという特殊な能力を持つ愛(風間俊介)が共に夢を追う姿をオリジナルストーリーで描いた。これまでのNHK連続テレビ小説にあまりなかったヒロイン像や、登場人物に特殊な能力があるといういままでにない設定が話題となった。

テレビドラマをメインに、数多くの大ヒット作を生みだしてきた遊川和彦。タイプの違う恋愛を描いてきた彼が、完全オリジナル脚本で挑む本作では、どのような恋模様が展開されるのか?ぜひ、その目で確かめてほしい。(Movie Walker・文/トライワークス)