桂宗助が「桂八十八」2代目襲名に「打ち勝ちたい」

引用元:日刊スポーツ
桂宗助が「桂八十八」2代目襲名に「打ち勝ちたい」

人間国宝で、15年3月に亡くなったた桂米朝さん(享年89)の最後の直弟子、桂宗助(56)が20日、大阪市内で来夏に2代目桂八十八(やそはち)を襲名すると発表した。

【写真】高座を務める人間国宝の故桂米朝さん(2012年1月2日)

米朝さんは生前、故永六輔さんら粋人たちと集い俳句を楽しんだ。「八十八」は米朝さんの俳号で、「米」の文字を分解したもの。宗助は「俳号とは言え、師匠が名乗っていた2代目となるのはプレッシャーがある。プレッシャーに弱いほうですが、なんとか打ち勝っていきたい」と緊張した面持ちで語った。

当初はサンケイブリーゼ(大阪市北区)で、20日から開催予定だった「米朝五年祭 米朝まつり」の口上で襲名を報告予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため公演は中止。取材会のみ行われた。 兵庫県尼崎市に住む宗助は、大阪府が新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、20日からの3連休の間、兵庫県との行き来を自粛するように求めていることを念頭に、取材会の冒頭に「きょうは兵庫県から来ました」とつかみで笑わせ、落語会でファンに襲名を報告できなかったことを「残念としか言いようがない」と話した。

取材会には米朝さんの長男で落語家、米朝事務所社長の桂米団治(61)も出席した。襲名報告の延期について「お客さんの前でやるには『まだ早い』という米朝の気持ちの表れかもしれない。ここで話すことで、もう1度、心の整理をして、来るべきリスタートのときにお客さんの前で話しなさいということかもしれない。『終息してからさあ、行きましょうのほうが、ええんちゃうんかい』。米朝の気持ちでしょう」と話した。

宗助はいったんは料理人の道に進んだが、落語家の夢があきらめず、88年、米朝さんに入門。米朝さん宅で住み込み修業をした最後の直弟子。若い頃から高座が米朝さんにそっくりと言われ、米朝落語を継ぐ正統派とされる。