記者会見に見るさまざまな工夫…新型コロナウイルス感染防止への取り組み/芸能ショナイ業務話

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、取材もずいぶん限られてきています。

 数少なくなった現場では一般客を入れず、報道陣のみで対応するところが増えています。

 先日、入り口にサーモグラフィーを設置した会見を初めて経験しました。顔見知りのスタッフの前を通ると「どうぞ、入ってください。熱、ないですね」と声を掛けられました。彼女の前の見慣れない装置は、1カ月のレンタル料が15万円ほどということでした。

 会場入り口には、アルコール消毒液を記者の手にかける係の人、マスクをしていない記者に着用を促す係の人がいます。持ち場ごとにできることをやって、不安を取り除いていきます。また、囲み取材の代わりに、質疑応答方式をとるなどの工夫がなされ、ほんの少しですが、安心感がありました。

 一方で、ぎゅうぎゅう詰めの会見も。都内の窓も開かないビルの一室で、入り口まで報道陣があふれかえるような取材も何度か経験しました。

 満員電車以上の会議室に30分以上とどまったときには恐怖すら覚えました。

 マスクを着けている記者が思わず後ずさりをしてしまうような場所ですから、マスクなしのタレントの気持ちはいかばかりか、と考えてしまいます。

 困難なときこそ、相手の立場になって考える気持ちを大切にしたいと痛感しました。(くのいち)