永遠の乙女が主人公となった『ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』をじっくりとプレイ

引用元:IGN JAPAN
永遠の乙女が主人公となった『ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』をじっくりとプレイ

かつて日本を席巻した王道ファンタジー小説『ロードス島戦記』を原作とした、探索型2Dアクション『ロードス島戦記-ディードリット・イン・ワンダーラビリンス-』のアーリーアクセス版がSteamでリリースされた。物語は原作のヒロイン「ディードリット」の視点で描かれる。金髪のロングヘアーに長く尖った耳、優しくもやや鋭くつり上がった目と瞳など、エルフのイメージを強く印象づけたキャラクターだ。原作では「永遠の乙女」とも呼ばれており、読者の中にも、かつてその美貌に心奪われた人は多いはずだ。

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本作は『ロードス島戦記』から約100年後の時代を描く、12年ぶりの新作『ロードス島戦記 誓約の宝冠』にいたるまでの空白を埋めるとしている。はたして『ロードス島戦記』寄りの時代なのか、はたまた『ロードス島戦記 誓約の宝冠』寄りなのかで本作の位置づけが大きく異なるのだが、今のところそれは分かっていない。
まずは『ロードス島戦記』にハマったファンとしての視点も軽く交えつつ、本作のインプレッションをお伝えしたい。
教科書に忠実なメトロイドヴァニア
本作は全6ステージ制を想定して制作中の探索アクションで、今回のアーリーアクセス版では1ステージ目が収録されている。武器やアイテムなどお宝を求めて隅々まで探索したが、初回はおよそ2~3時間ほどでクリアすることができた。多少右往左往させられるが、ステージはそれほど入り組んでおらず、隠し通路や頭を悩ませるほどの複雑なトラップなど存在しないシンプルな作りだ。スライディングで狭い通路を一気に駆け抜けるといった、アクションゲームの定番要素の知識がない初心者だと多少悩むかもしれないが、大抵の人は行き詰まることなくボスまでたどり着けるだろう。

敵の配置やシステムの説明を兼ねたパズル要素の配置など、全体的に難易度は低く抑えられており、チュートリアルステージに近い位置づけだと思われる。だがそうした優しさは体験版中盤までで、後述する属性を切り替えないと倒せない敵が現れるなど、油断をするとゲームオーバーになる、ややハードな難易度の片鱗も感じられた。
とはいえ『Salt and Sanctuary』のように、一太刀の攻防が死と隣り合わせの死にゲーではなく、メトロイドヴァニアという教科書にかなり忠実な作品だ。特にこのジャンルを開拓したタイトルのひとつ、PlayStationの『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』にフィーリングもとても似ている。連続攻撃やスライディングなど軽快なアクションを基本としながら、わずかに重さを残して嘘っぽさも少ない動きは小気味よい。キャラクターのドット解像度は低めながら、とてもなめらかなアニメーションでキャラクターが生き生きと動き、100×200ピクセルほどのドットからアニメーターの情熱が伝わってくる。
そのなめらかな動きから繰り出すディードリットの主な攻撃手段は、近接武器、遠距離武器の弓、それに精霊の力をぶつけて攻撃を行う精霊魔法の3種類だ。近接武器は、種類によって攻撃力、リーチ、攻撃の素早さが異なっており、軽快な連続攻撃が可能なナイフ、鈍重だが威力の高い斧のように、好みに合わせて武器を使い分けることができる。

精霊魔法は、ディードリットを囲む8体の精霊(ウィル・ウォー・ウィスプ)をぶつけて攻撃する 。 敵を自動追尾するので使いやすい 。 ボスまでの道中には、ゴブリンや竜牙兵など、原作でお馴染みのモンスターも雑魚として登場する 。 数回切りつけないと倒せない程度にタフで、攻撃したときの敵のノックバック量も少なめだ 。 そのため敵の接近する圧が高めになっており、攻撃の手を緩めると簡単に攻撃(体当たり)を許してしまい、一戦のウェイトをやや重くしたバランスを狙っている印象を受けた 。 だが雑魚はいちどに多く出現する場面は限られており、新しい武器の入手やレベルアップによるデュートリッド自身の強化によって、隅々まで探索し終える頃に難なく敵を倒せるようになるはずだ 。 デュートリット自身の強化はレベルアップのみで、ダメージの身代わりアイテムがある程度で、現時点ではステータスアップなどのアイテム類は確認できなかった 。 ボスまでの道中のバランスを語るのは時期尚早だろうが、個人的にはもう少し難しいバランスでも良かった 。 敵の動く速度を上げるのか、もしくは耐久を上げるのか、数の暴力でプレッシャーを与えてくるのか 。