『ポケ戦』の“神作画”にインスパイアされ、うねる波間を進撃するハイゴッグを立体化

引用元:オリコン
『ポケ戦』の“神作画”にインスパイアされ、うねる波間を進撃するハイゴッグを立体化

 40年余の歴史を持つ『機動戦士ガンダム』において、ガンプラの果たした役割は大きい。実際、多くのモデラーたちはガンプラをキャンバスとし、自身の妄想ストーリーを具現化してきた。今回紹介するのは、OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(ポケ戦)』に登場するハイゴッグで第19回「全日本オラザク選手権」ジオラマ部門にて銀賞を受賞した仁誠氏(@jinnmako)。模型制作にハマった原体験や、『ポケ戦』から受けた影響について語ってもらった。

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■記憶に残るガンダムの名シーンを「ジオラマで再現したい」

――ガンプラの原体験を教えてください。

【仁誠】子どもの頃、模型作りは人並みにやっていました。当時はSDガンダムが流行っていて、SDガンダムのカードダスや模型を楽しんでいました。その後、中学生の頃に『Vガンダム』(1993年放送開始)がリアルタイムで放送されているのを見て、初めてリアルタイプのガンプラを制作しました。ただ、当時はそこまで本格的にハマっていたわけではなく、それから15年後経って、30歳の頃に『ガンダムUC』を見て模型制作に復帰し、本格的にハマりました。

――最初のリアルタム視聴は『Vガンダム』とのことですが、ガンダムシリーズの中で一番好きな作品は?

【仁誠】1999年に放送された『∀(ターンエー)ガンダム』です。“ガンダムの生みの親”である富野由悠季監督が「全てのガンダムを全否定し全肯定もする」という意図で制作した意欲作で、一部のファンからはガンダム版「世界名作劇場」と呼ばれています。

――今や多くの人が使う“黒歴史”という用語は『ターンエーガンダム』によって広まりましたし、他のシリーズとは一線を画す“牧歌的”な雰囲気も人気です。

【仁誠】本作はガンダムシリーズの知識がなくても見られる内容なのでオススメです。特に最終話、エピローグの5分は必見です。名曲「月の繭」(作曲:菅野よう子)と共に物語が終わり“神話”となる点は印象深いです。

――他のシリーズ作品の思い出は?

【仁誠】『機動武闘伝Gガンダム』の主人公ドモン・カッシュ対東方不敗のシーンも捨てがたいです。放送当時、作画の良さと展開の熱さで目頭が熱くなりました。あと、『ガンダムUC』のユニコーンガンダム2号機バンシィが落下しながら変身をするシーンも思い出深く、このシーンが模型制作に復帰するきっかけになっています。今も、こうした名シーンの数々を「ジオラマで再現したい」という想いが強いです。