女優たちの名演が光る！ アカデミー賞で注目を集める新作ムービー3作

今年のアカデミー賞にノミネートされた注目作品が、日本でも続々と公開に。アワードに名を連ねるのも納得の重厚な作品たちを、ぜひその目で確かめて。 Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019

『ジュディ　虹の彼方に』

1939年、映画『オズの魔法使』に出演し、17歳にしてトップスターになったジュディ・ガーランドの知られざる波乱の人生を描いた『ジュディ　虹の彼方に』。ジュディを演じたレネー・ゼルウィガーは、1年前から歌のトレーニングを行い、動きまで徹底的にマスター。文句なしの演技で第92回アカデミー賞主演女優賞を射止めた。

ミュージカル映画の大スターとしてハリウッドに君臨していたジュディ（レネー）は、度重なる遅刻や無断欠勤のせいでオファーが途絶え、住む家もなく借金が膨らんでいた。再起をかけることになったジュディは、子どもたちを元夫に預け、単身でロンドン公演に赴く。現地でのショーは連日満員、大盛況となり、未来は明るいように見えたのだが……。

食べるものも睡眠も思うように与えられなかった子役時代。以来、絶えることのないプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、ジュディはステージに立ち続ける。彼女に注がれる世間の目はときに辛辣で、その心はボロボロ。それでも“客席との間に生まれる愛”を信じマイクを持つジュディの姿は、神々しくさえある。私たちの心に愛を届けてくれる、レネーの渾身のパフォーマンスは必見！

『ジュディ　虹の彼方に』
2020年3月6日（金）より全国公開中
https://gaga.ne.jp/judy/
配給：ギャガ Universal Pictures

『ハリエット』

第92回アカデミー賞主演女優賞、歌曲賞のほか、ゴールデングローブ賞をはじめ、今年度の名だたる賞にノミネート／受賞を果たした『ハリエット』。1849年のアメリカで、奴隷として生まれたアフリカ系アメリカ人女性のミンティ（のちにハリエットと改名）が、命を懸けて自由を手にしていく実話を基にした物語だ。

幼い頃から過酷な労働を強いられていたブローダス農場の奴隷ミンティは、いつの日か、自由の身になり、人間らしい生活を送ることを夢見ていた。ある日、農場主に売り飛ばされそうになったことを知ったミンティは脱走を決意。奴隷制が廃止されたペンシルベニア州を目指し、たったひとりで旅立つ。

追手に迫られ、窮地に立ったミンティは、気丈に「自由か、死かよ」と言い、その後何度もその言葉を唱える。奴隷解放という目標を胸に、一心不乱に道なき道を歩むミンティの姿は、観ているものを奮い立たせる。真っすぐな瞳が印象的な主人公を演じるシンシア・エリヴォは、本作が映画出演3作目だというから驚き！　自由であるはずなのに、どこか窮屈さを感じる今の時代。希望をパワーに変えていく彼女のような不屈の精神を見習いたい！

『ハリエット』
2020年3月27日（金）より全国順次ロードショー
https://harriet-movie.jp/
配給：パルコ