田原俊彦からキンプリまで! “ジャニーズ”音楽土台作りに関わった作詞作曲家・宮下智って?

引用元:TOKYO FM+
田原俊彦からキンプリまで! “ジャニーズ”音楽土台作りに関わった作詞作曲家・宮下智って?

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみのこれから、何する?」。3月18日(水)の放送は、たかみなが休演のため、水曜パートナーの音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さんがゲストの西寺郷太さんと“ジャニーズ~幻の天才作詞作曲家、宮下智伝説”特集をお送りしました。

ノーナ・リーヴスとして活躍するとともに、さまざまなアーティストに楽曲提供&プロデュースをしている西寺さんが最初に買ったレコードは、田原俊彦さんとイモ欽トリオ、そして近藤真彦さん。そして、その田原さんの曲を数多く手掛けていたのが宮下智さんです。

1970年代、男性アイドルでは郷ひろみさん、西城秀樹さん、野口五郎さんの新御三家が活躍していましたが、80年代になると田原さんの登場で大きく変化。特にセカンドシングルの「ハッとして! Good」からは、西寺さんいわく「爆発路線」というほどの変わりようだったとか。

“宮下智”というと男性に思われがちで、西寺さんもそう思っていたそうですが、実はそれは芸名で、本人は女性。なんでも当時、宮下さんはあまりスタジオに行くことがなく、かなり謎に包まれた人物だったそうです。ちなみに、なぜスタジオに行かなかったのか、西寺さんが本人に伺ったところ、「タバコのニオイがイヤだったから」。

また、宮下さんは学生時代にアメリカに音楽留学し、行ったそばから現地のクラシックコンテストで優勝。さらには、サンフランシスコ音楽学院を主席で卒業するなど超優秀で、当時は歌謡曲の仕事をしていることを親などに知られたくなかったそう。それで男性か女性なのかわからない芸名にし、なかでも“宮下智”は田原さんとの画数の相性がいい名前だったとか。

「ハッとして! Good」以降も、田原さんの「原宿キッス」や「NINJIN娘」など数多くの名曲を残すなか、西寺さんが「コレもスゴイ曲!」と紹介したのが「キミに決定!」。スタジオでこの曲を聴いた高橋さんは、「カッコイイですね~、まさに爆発路線という言葉がハマっている」と納得。

その後も宮下さんはさまざまな曲を手掛けるなか、西寺さんが「80年代ジャニーズ作品の総決算のような曲」と評していたのが、少年隊の「まいったネ今夜」。

宮下さんの魅力について、「表に出ない、そこがまたカッコイイ」、そして「70年代のジャニーズにもあった根性や男らしさ、カッコ良さとは違う、いい意味で思い切りの良さがフレッシュで、トリッキーな田原さんのエンターテインメント性を上手く引き出していた」と熱弁する西寺さん。さらには、「1980年代にジャニーさんのプロデュースで、宮下さんが作詞、楽曲作りをするなかで今に至るジャニーズの土台を作った部分も大きい」と絶賛します。

そんな宮下さんは現在、音楽業界から離れ、世田谷でチョコレートショップをやっていて、そこは田原さんファンの聖地になっているとか。西寺さんも実際にお店に足を運んだことがあるそうで、「宮下さんが店頭に立っているのはたまにしかない」とのこと。

しかし、2018年に宮下さんはジャニーズ作品の作詞・作曲を再び手掛けることに。それがKing & Princeの「愛のすべて」で、そこにも確かな“宮下イズム”が流れていると西寺さん&高橋さんともども聴き入っていました。

(TOKYO FM「高橋みなみの『これから、何する?』」2020年3月18日(水)放送より)