桂ざこば、動楽亭を4月1日から再開させることを明言

 落語家、桂米團治(61)、桂ざこば(72)らが、5年前に亡くなった師匠の桂米朝さんの命日にあたる19日、兵庫・姫路市の名古山霊苑で神事「桂米朝5年祭」に出席した。

 米朝さんの墓に一門の落語家、親族ら約50人が訪れ、供養した。ざこばはあいさつで「僕はいつも師匠はそばにいてると思っています。昨日も怒られたような気がしました」と話した。

 本来なら20日から3日間、落語会「米朝まつり」(大阪・サンケイホールブリーゼ、朝日生命ホール)が開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止。米朝事務所としては3月だけで約40公演の落語会が中止や延期となった。

 米朝事務所の社長を務める米團治は「米朝からは『戦争はもっとひどかったやで。家も全部焼けてしもたんやで。仕事がないくらいなんやねん。工夫してやらんかい』という声が聞こえてきそう」と前を向いた。

 そんな中、ざこばは、自身が席亭を務め、今月11日から休業していた動楽亭(大阪市西成区)を4月1日から再開させることを明言。「これだけ落語やってないと自分までおかしくなる。4月1日からやります! 師匠もやったらええがなって言うてくれてる気がしますわ」と力強く話した。

 米團治は「世間の空気って怖いですよね。目に見えない相手と戦う恐ろしさをヒシヒシと感じます。開いたはいいが、お客さん来なかったらね」と社長の苦悩を明かすと、「こういうときだからこそ、芸人も興行師も一つになって『行こうや』っていう空気がほしい。それをざこばさんから出してほしい」と先輩に期待を込めた。