「”男性らしい美しさ”が打ち出せる」メンズメイクの第一人者が語る、男性美意識の変化

引用元:オリコン
「”男性らしい美しさ”が打ち出せる」メンズメイクの第一人者が語る、男性美意識の変化

 10代~20代だけでなく、働く世代からも大きく注目されているメンズメイク。男性向けコスメも続々登場し、肌の調子や清潔感などスキンケアに気を配る男性が増えてきているが、最近では女性と同様に自由にメイクを楽しむ様子をSNSにアップする人も急増中。男性の美意識はどのように変化しているのか? メンズメイクの第一人者であるヘア&メイクアップアーティストの高橋弘樹氏に話を聞いた。

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■世間とのギャップを打開し、メンズメイクの魅力をアピールすることに尽力

 肌が荒れやすく大学生の頃に重度のニキビに悩まされていた高橋さん。肌荒れを隠すためのツールとしてコスメを使い始めたが、当初はメイクすることに対して恥ずかしい気持ちもあったという。

「ドラッグストアで化粧品を手に取って、お会計するときに変な人だと思われないかな…と恐る恐る購入していました。メイクやスキンケアを始めたばかりのころは『男がメイクするなんて男らしくない』などの意見もいただいて。僕自身は肌荒れを隠すためのツールとして化粧品を使っていただけなのにと、世間とのギャップを痛感しましたね。その一方で、自分と同じように悩みを抱えている人がたくさんいることにも気づいていて、男性がメイクをしても違和感のない世の中作りをしようとメイクのプロになる道を選んだんです」

 高橋さんがメイクを始めた頃は「男性がメイクにチャレンジできない」という風潮が強く、“メイクをしている=女性的な雰囲気を持っている”と誤解されることも。この環境を打破するため、半年間で100名以上の男性にメイク体験を行い、SNS等でメンズメイクの気軽さや、男性もメイクで印象がよくなることをアピールしていった。

「女性のメイクは“美しくなる”がゴールですが、男性の場合は“清潔感がアップする”こと。女性のように全体でカラフルなメイクをするわけではないので、ステップが少なく実は手軽に挑戦できるんです。最近は化粧下地と日焼け止め、ファンデーションの役割をひとつで兼ね備えた男性専用のBBクリームなども発売されているので、初めての方でも安心して挑戦できるんですよ」

 高橋さんがセミナーやレッスンで一般男性のメイクをするときは、その人の骨格やライフスタイルに合わせたメイクを心がけているという。

「肌質ももちろんですが、表情のクセなども見極める必要があります。例えば笑う時に眉間にシワを寄せるから部分的に薄く仕上げよう、などですね。実際に男性にメイクをすると、年齢層が高くなればなるほど反応が大きくなります。40~50代の方はナチュラルに若返り効果が出ることに驚いていらっしゃいますね。30代以下の方は自分のさらなる可能性に気づき、『次はこんな感じのテイストでメイクをやってみたい!』とメイクをファッション的に捉えている印象です」