昇太会長が決断「新しいスターを」29年ぶり抜てき真打ち誕生 来年2月に桂宮治が5人抜き昇進

引用元:スポーツ報知
昇太会長が決断「新しいスターを」29年ぶり抜てき真打ち誕生 来年2月に桂宮治が5人抜き昇進

 落語芸術協会(春風亭昇太会長)は17日、都内で理事会を開き、二ツ目の桂宮治(43)の2021年2月中席(11日初日)の真打ち昇進を決定した。単独で昇進する。

 宮治は2008年2月に桂伸治に入門し、12年3月に二ツ目昇進。同年にNHK新人演芸大賞落語部門大賞を受賞するなど、早くから活躍。サービス精神満点の爆笑派として、先輩真打ちと二人会を行うなど活躍の幅を広げていた。

 香盤(落語家の序列)では5人抜きの抜てき真打ちとなる。今年2月に真打ち昇進した講談師・6代目神田伯山(36)は、落語家を9人抜く形となったが、同協会での落語家の抜てき真打ちは1992年の現会長の春風亭昇太(60)以来、29年ぶりとなる。

 前会長の桂歌丸さんは抜てき真打ちに否定的だったが、昨年6月に会長を引き継いだ昇太会長は「宮治君の場合は、遅すぎるくらい。もっと早く(真打ちに)させてあげたかった。腕もある人で人気もある人なので…」と説明。宮治も活動したユニット「成金」メンバーでは昨年9月に柳亭小痴楽(30)が15年ぶりの単独真打ち昇進。今年2月に6代目神田伯山真打ち昇進披露が行われており、寄席が活気づいており、「いい流れの中で新しいスターを生まないと…」と抜てきに舵を切った。

 宮治は「(香盤の)順番で真打ちになるんだろうなと思っていたので、考えもしなかった」と抜てきに驚きの声を上げた。それでも「まずは(所属している)芸術協会を盛り上げて、落語界を盛り上げていきたい」と決意。「まずはお客さんに楽しんで帰ってもらいたいという気持ちでやっているので、スタンスは変えずに手を抜かずにやっていきたい」と意気込みを語った。 報知新聞社