千葉雄大主演「スマホ2」スマッシュヒットの裏にコロナ一斉休校

千葉雄大主演「スマホ2」スマッシュヒットの裏にコロナ一斉休校

 新型コロナウイルス対策に伴う全国的なイベント中止が相次ぐ中、これまで営業を続けてきた映画館業界も対応を迫られている。まず最大手シネコンのTOHOシネマズがチケットの払い戻しを発表すると、他チェーンも追随。さらには岩波ホールやシネマイクスピアリなど、臨時休館を決める劇場も現れた。

 そんな中、公開中の日本映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」が興行ランキング、口コミともに好評、スマッシュヒットを記録している。映画批評家の前田有一氏が語る。

■「ドラえもん」は延期

「学校が一斉休校となったことで、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』『映画しまじろう』といった子供向け映画が公開延期になった。相対的に、『パラサイト』や本作のような大人向けサスペンスやホラーが伸びる余地が生まれています。また、一度延期や休館すると、再開後も観客は心理的に戻りにくくなるのは春節シーズンに映画館を閉めた中国で証明されています。よって、この傾向はしばらく続くでしょう」

 志駕晃による原作小説を、「リング」「クロユリ団地」で知られるホラーの名手、中田秀夫監督が映画化。19・6億円のヒットを記録した前作の続編となる。この2作目では乃木坂46の白石麻衣が新たな殺人犯に狙われるヒロインを演じ、千葉雄大演じる恋人の刑事が前作の犯人の捜査協力を得て真相に迫る展開となる。

「1作目は演出面でも演技でも恐怖シーンに凄みがなく、せっかくの面白いストーリーが緊張感を欠いたチープな出来栄えになっていました。そうした批判が耳に入ったか、今回は中田監督も本気を出してきた印象です。前作の殺人鬼が別の悪党を追い詰めるアンチヒロイックな展開は、『羊たちの沈黙』を彷彿とさせる知能戦で見ごたえ十分。さらに白石麻衣の美貌は大スクリーンに映え、着替えでブラを外すサービスまであり、大人の男性の観賞にも堪えます」(前田有一氏)

 自宅を出て、映画館で見る価値ありの佳作のようだ。