「毎日が楽しくない」と感じる意外な原因は!? 哲学研究者・小林昌平が教える“禅”の考え

引用元:TOKYO FM+
「毎日が楽しくない」と感じる意外な原因は!? 哲学研究者・小林昌平が教える“禅”の考え

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。3月8日(日)の放送では、先週に続いてエヴァンジェリストであり哲学研究者の小林昌平さんが登場しました。

◆“1つに集中すること”が大切

高須:小林さんの著書である「その悩み、哲学者がすでに答えを出しています」についてお話を聞きたいです。

小林:ぜひ!

高須:本には、「やりたいことがない。毎日が楽しくない」という疑問に対して、道元が答えを示していると書かれていますよね。「生活すべてが“禅”である」と。まず、禅とは何でしょうか?

小林:禅は“悟り”の方法で、“ひたすら自分の周りにある雑音や情報を消していく”ということです。そうすることで、何もない空間に自分がポツンと立つ。物事を悟りやすくなる状態にできるということですね。“今、やらなければいけないこと、やる予定のことを1つひとつ細部までクリアにしながら、丁寧にやってみたらどうですか”という教えです。

歯磨きでもいいですし、書類を書くことでもいい。マルチタスクで物事を進めていく人って多いですよね。だけど人って、いろんなことをこなしているとやる気を失いやすいのです。だから、どんな些細なことでもいいので、“1つのことに集中する”。そうすると、だんだん“何かをやらないといけない”という感覚がなくなっていきます。丁寧に、丹念に物事をこなしていくと、うまくいったときに“幸せ”を感じるようになるんですね。

高須:やりたいことがなくて毎日が楽しくない人は、やらなくちゃいけないことがたくさんあるのが、原因になっているんですね。まずは、やりたくないことを丹念にやるのが重要ですね。

小林:そうです。そして、そのやることは1つだけに絞ります。シングルタスクにすることが大切です。

◆弁証法の考え方

小林:哲学の最強の考え方の1つとして、“弁証法”というものがあります。簡単に言うと“急がば回れ”というような考えです。

高須:なるほど。

小林:私がこう言いました、高須さんがこう言いました。私と高須さんの意見を混ぜ合わせて、より高いレベルで考えが一致しました。これが弁証法です。「反対の反対は?」という答えを紐解いています。

高須:嫌らしい考え方ですね。

小林:そうですよね。たとえば、すごく世渡り上手で、周りから「したたかだ」と言われている人がいるとします。しかしその一方で、ピュアな部分も見つけたとしましょう。どっちが正しいか? 正解は“どっちも”です。したたかでピュアなのですね。高いレベルで一致しているだけの話なのです。

高須:なるほど。難しいねえ。