キング・オブ・クール!生誕90周年を迎えるスティーヴ・マックイーンの魅力<写真30点>

引用元:Movie Walker
キング・オブ・クール!生誕90周年を迎えるスティーヴ・マックイーンの魅力<写真30点>

不良っぽい雰囲気と独特の渋さで観る者を魅了してきた“かっこいい男”の代表格スティーヴ・マックイーン。今年の3月24日(火)で生誕90周年となる彼を、BS10 スターチャンネルでは「史上初!生誕90年スティーヴ・マックイーン完全網羅」と銘打って特集中。あらためて彼のキャリアを写真と共にひも解いていきたい。

【写真を見る】アウトロー、モータースポーツ狂…男が惚れる男マックイーンの魅力とは?<写真30点>(『栄光のル・マン』)

■ 男が惚れる男!孤高のアウトローな魅力

子ども時代を寄宿舎に送られるような札つきのワルとして過ごすと、その後は仕事を転々としたり、海兵隊で過ごしたマックイーン。20代を過ぎてから俳優として活動を開始し、映画の端役で経験を積むと、58年に西部劇ドラマ「拳銃無宿」の主役に抜擢され、28歳にして遅咲きのブレイク。50年代は西部劇ドラマが量産された時代だが、マックイーンは賞金稼ぎという役どころで、ミステリアスで危険な香りを漂わせたアンチヒーロー的な存在感を発揮し、本作をほかの作品とは一線を画すものへと押し上げていく。

このアウトロー的な魅力を武器とし飛躍を見せていくマックイーン。『荒野の七人』(60)では、7人の中のサブリーダー格のヴィンを演じ、真面目で茶目っ気もある人格者のアウトローという複雑なキャラクター像を、遅咲きならでは余裕を感じさせる演技で自然に体現。

また『大脱走』(63)で演じたドイツ軍の収容所から幾度となく脱走を図る米国航空兵のバージル・ヒルツ役では、自身が本来持つヤンチャな気質を活かし、反抗心むき出しの気迫の演技を見せ、スクリーンで躍動。カウンターカルチャーの運動が盛んだった60年代の気運と相まって、当時のアイコン的な存在へと上り詰めていった。

その後も罪を着せられ終身刑となった主人公が脱獄を目指す『パピヨン』(73)や、保釈中に失踪した逃亡者を非情なまでに追いかけるバウンティハンターを演じた遺作『ハンター』(80)など、晩年になってもこの大人の不良的な雰囲気は消えるどころかさらなる色気をまとっていき、孤高のアウトローというイメージを最後まで貫き通した。

■ 会社を潰してまで貫いたモータースポーツへの狂愛

彼を語るうえでもう一つ欠かせないのが、モータースポーツへの深い愛情だ。実際にレースに参加しては優勝するなど、かなりの腕前を持っており、1978年にはオフロードモータースポーツ栄誉の殿堂入りを果たしたほどだ。

そんなモータースポーツ狂な一面は映画でも見ることができ、『ブリット』(68)ではマックイーン自らハンドルを握り、起伏激しいサンフランシスコの街中で、時速約200kmのスリル満点のカーチェイスを担当。『大脱走』でも、オートバイにまたがり自ら多くのスタントをこなしていることは有名だろう。

またル・マン24時間耐久レースを題材にした『栄光のル・マン』(71)では、自らの会社の総力をあげ、トップレーサーなどを起用しながら、時には周囲の意見に反発してまで、本格的なカーレース映画を製作。興行的には失敗に終わり、結果として自身の制作プロダクションも解散する羽目になったが、並々ならぬ情熱を注ぎ切った。

そんな彼のキャリア全作品を、孤高の男、西部劇、キャリア・初期・貴重な作品、別の顔などテーマ別に4か月連続で放送する今回の特集。自らの生き様に決してぶれなかった“男の中の男”、マックイーンの魅力を思う存分に満喫してほしい!(Movie Walker・文/トライワークス)