渡辺仕掛け広瀬が呼応 初日から激しい戦いに

渡辺仕掛け広瀬が呼応 初日から激しい戦いに

 ◇第69期大阪王将杯王将戦 7番勝負第6局第1日(2020年3月13日 佐賀県上峰町・大幸園)

 【第1日のポイント 関口武史】広瀬がリードして迎えた第6局。午前早々に広瀬による、端歩の打診から渡辺の右王という戦型となった。

 昼食休憩インタビューでは両者共に「▲1五歩が後手右王への布石になった」と語っている。加えて広瀬は「端歩が主張になった形」と満足感を漂わせた。

 右王の常とう手段は△7二王~6二金~5二金~6二金の待機作戦だが、渡辺は別構想を見せる。△6五歩(A図)と強く位を張り、さらに△6四銀~6三金と上部に厚みを築く。駒組みの焦点である3三銀の活用は、積極的に△4四銀~5五銀左と強く中央に進める。

 薄い王形の渡辺から動く意外な展開となった。渡辺が妥協なく仕掛けると広瀬も呼応し、初日から激しい戦いとなった。(スポニチ本紙観戦記者)