舞台「ハイキュー!!」でデビューした190センチ長身俳優・新井將が“案内人“を務めるVR演劇の世界

引用元:中日スポーツ
舞台「ハイキュー!!」でデビューした190センチ長身俳優・新井將が“案内人“を務めるVR演劇の世界

 190センチの長身を生かし、出演舞台で強烈な印象を与えている俳優新井將(28)が新しいステージ演出として注目されるVR演劇「鈍色(にびいろ)とイノセンス~Mixalive殺人事件 45年目の真実~」(作・演出キムラ真)に出演する。観客全員がVRゴーグルを着装し、舞台上とVRが絡み合いながら進行する公演で、カギを握る役を任された新井が本紙の取材に応じた。

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  中学時代に芝居に興味を持ち、評価が高い演劇部のある神奈川県内の高校に進学、大学でも演劇専攻のある大学を選んだ。「スポーツはテニス、バスケをやっていましたが、この体ですから柔道部などからかなり勧誘されました。でも、この体が演劇で武器になると思い芝居一本で貫きました」

 大学卒業後、舞夢プロに所属し、デビューはバレーボール選手を演じた舞台「ハイキュー!!」(16年)。17年の「BRAVE10」では、体重を20キロ増やし、三好清海入道になりきり、8キロのこん棒を振り回した。拷問師の役を演じた19年の「博多豚骨ラーメンズ」では肉体を鍛え上げ、すごみのある存在を演じ上げた。

 「何か結果を出したくて、いつも前のめり」と自己分析する。「役作りのため、20キロの体重増減は1カ月あればできる。衣装だけでなく、内側から舞台で観客に見せられるようにしたいんです」とストイックさにプロ意識を見せる。「例えば、原作を知っている人から見れば、絶対ごまかせるものではないと思うんです」とも。

 舞台中心の活動だが、漠然と「何者かになりたい」目標がある。映像にもあこがれる。「戦隊もの、ヒーローものにチャレンジしたい。なぜかと言えば、これまでに関わってきた多くの人に自分を気づいてもらえるから。小さいときから(ヒーローものが)好きだったことも影響してると思う」。事実、特撮もの、仮面ライダーの俳優、監督などは全部暗記している。

 今回の舞台について「台本が骨太すぎて心酔しました。役柄のキャラクターはセリフもすごく多く、観客を巻き込んでVR演劇の世界に動かす“案内人”的な存在。言葉で勝負できるのもうれしい」と前を向き、「言葉で戦いたかったんです」と明かす。

 “武器”の長身は、衣装のサイズが合わないことも。「自分が必要な俳優に成長し、『新井ならば』と衣装を用意してもらえる俳優になりたい」と明日を見据えた。

 公演は4月4~12日(13公演)、東京・池袋のMixalive TOKYO「Hall Mixa」のこけら落とし公演として開催される。新井はWキャストで7~12日に出演する。

 ◆「鈍色とイノセンス~Mixalive殺人事件 45年目の真実~」 すべてのものが「見た記憶」として記録・再生されるシステム「ヴィジュアル・レコード」が導入された世界。犯罪は激減し、警察は縮小化された。そんなとき、ある男が「45年前に父親を殺しました」と自首。その男は45年前も父親殺害で陪審員裁判にかけられ、無罪になっていた…。法廷劇の名作「十二人の怒れる男」をオマージュし、池袋を舞台に設定したミステリーだ。陪審員を務めるのは客席にいるVRゴーグルを着けた観客自身。玉井雄大・統括プロデューサーは「VRを見ている間にも舞台では演技が続く。DVDや配信では絶対に体感できない世界をライブで楽しんでほしい」と力を込める。