『北斗の拳』のゲームは「クソゲー」率高め…良作は「マークIII版」以降おあずけ?

引用元:マグミクス
『北斗の拳』のゲームは「クソゲー」率高め…良作は「マークIII版」以降おあずけ?

「199X年、世界が核の炎につつまれた」……そんなナレーションから始まる名作マンガ、『北斗の拳』(集英社刊 作:武論尊 画:原哲夫)。その「ゲーム版」が初めて発売されたのは1986年でした。

【画像】クソゲー率が高かった『北斗の拳』のゲーム、良作はどれ?

 第一弾となるのが1986年5月にPC-88用として登場した『北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー』(エニックス 現:スクエア・エニックス)です。当時はまだパソコンも一般的に広く普及しておらず、内容もマニアックな「アドベンチャーゲーム」。ストーリーも「シン」との闘いまでだったこのゲームは、やはり「知る人ぞ知る」存在だったように思います。

 あえて言えば1983年の「週刊少年ジャンプ」連載開始前、「フレッシュジャンプ」で二話読み切りの短編マンガとして掲載された、現代を舞台にした『北斗の拳』のようにマイナーです。ちなみにこの現代劇版『北斗の拳』は、原哲夫先生の連載デビュー作『鉄のドンキホーテ』の単行本1巻と2巻にそれぞれ掲載されています。

 話を「世紀末」が舞台となったゲームに戻しましょう。個人的に記憶に残る1本として挙げたいのが「セガ・マークIII」用として1986年7月に発売された『北斗の拳』です。当時はファミコンが全盛期で、「セガ派」というだけで学校のクラスで変人扱いされた苦い記憶もあるのですが、そんな時代に発売された「北斗ソフト」は、まさに救世主的存在。ファミコンで格闘ゲームといえば当時も『イー・アル・カンフー』(コナミ)や『スパルタンX』(任天堂)などがありましたが、それよりも美しいグラフィックで『北斗の拳』の世界観を忠実に再現した「マークIII版」はファミコンユーザーの友人たちに対する優越感に浸りつつも燃えに燃えてプレイした思い出があります。

「マークIII版」の内容は「シン」がボスキャラとなる一面の「サザンクロス・タウン」から始まり、「ゴッドランド」「デビルリバース」「カサンドラでんせつ」「せいていじゅうじりょう」と続きます。横スクロールでモヒカンを次々に倒すゲームスピードは、かなり爽快。打撃を打ち込んだ後、ワンテンポ遅れて敵がバラバラになる演出も「北斗神拳」を見事に表現しています。特に「シン」に放つ「北斗百裂拳」のスピード感やラオウ戦のラストなどは胸アツ・ポイントです。もちろん、ゲームとしては当時なりのグラフィックですし、ジャギ様や牙一族が出ないという不満ポイントもありましたが、間違いなく「名作」といえるソフトなのではないでしょうか?