今こそ見たい名画…コロナパニックを予言!? 深作欣二監督『復活の日』

引用元:夕刊フジ

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない。もはや世界規模で感染が報告されており、パンデミックといえるほどの勢いとなっている。今から約40年前、この事態を予言したかのような映画があった。それが『復活の日』(深作欣二監督)だった。

 『復活の日』は、『日本沈没』などで知られるSF作家、小松左京が1964年に書き下ろしで発表した作品が原作となっている。そう、原作だけでみれば、何と56年も前の作品なのだ。

 映画は80年6月に公開されている。いわゆる「パニック・ディザスター映画」であり、ボロを身にまとい、無精ひげの草刈正雄がつえをついて、ヨロヨロと歩くCMを覚えている人も多いだろう。

 人為的につくられたウイルス「MM-88」をめぐり、冷戦中の東西各国が奪い合いを続ける中、不慮の事故でこのウイルスがヨーロッパにまき散らされてしまう。

 急速に感染が拡大していくウイルス。当初は「イタリア風邪」と名付けられ、ウイルスであることは隠されていた。春を迎えるとウイルスはさらに活発化し、人類はあっという間に滅亡の危機にひんする。残されたのは南極に残る約800人ほどの各国基地の越冬隊だけとなった。

 物語は、そこに核ミサイルの恐怖なども重なっていく。「イタリア風邪」が世界中に広がっていく鬼気迫る雰囲気は、まさに今のコロナショックとダブるところ。

 ネット上でも、“この映画で描かれている世紀末に1番近い雰囲気になってきているのがなんか怖い”“今年の9月あたりにこうなってないことを祈る”“そういえば「南極以外で流行」という共通点も”と指摘する書き込みも多い。

 作品は、南極ロケやジョージ・ケネディ、オリビア・ハッセーといった海外スターも出演したバブリーな超大作だったが「公開当時、24億円の配給収入を記録するヒットとなりましたが、巨額だった製作費には見合わず、角川映画はこれ以降、大作路線を捨て、薬師丸ひろ子ら“角川三人娘”のアイドル路線にシフトチェンジするきっかけにもなりました」と映画関係者。

 今だからもう一度見たい名画だ。