生島ヒロシ「風化させない!」 故郷・気仙沼から早朝のラジオ番組生中継 涙でリスナーのメッセージ読めず

引用元:中日スポーツ
生島ヒロシ「風化させない!」 故郷・気仙沼から早朝のラジオ番組生中継 涙でリスナーのメッセージ読めず

 東日本大震災から丸9年を迎えた11日、フリーアナウンサーの生島ヒロシ(69)は、震災で妹夫妻を亡くした故郷・宮城県・気仙沼市から、自身がMCを務めるTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)の公開生放送を行った。

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 4月に開校予定の「気仙沼リアス調理専門学校」からの生放送で、会場には地元住民を招待する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮して無観客となった。

 「僕にとっても特別な日」と切り出した生島。地元新聞が1面トップで報じた「復興ラストスパート 不明者発見年々厳しく」との見出しを紹介し、「私の妹の連れ合いもまだ(遺体が)発見されていませんから。ご家族はつらい思いでしょうね」と遺族たちをおもんぱかった。

 「風化させない! 東日本大震災」をテーマに、気仙沼市の元総務部危機管理監兼危機管理課長・佐藤健一さん(66)をメインゲストに迎え、同市出身のシンガー・ソングライター・熊谷育美(34)、仙台出身の出版コーディネーター・残間里江子さん(69)も電話で登場。「復興の歩みを止めてはならない」というメッセージを発信した。

 番組の最後にリスナーからのメッセージを紹介。大好きな海が大津波で一変してしまったという内容に「なんか思い出しちゃった」と言葉を詰まらせた。そして、震災を乗り越え「人の役に立ちたい」という思いから警察官になったという人のエピソードに号泣し、文章が読めなくなる場面もあった。

 放送を終えた生島は「今日は放送開始の朝5時の時点で気温が12度あり、気仙沼らしい気持ちの良い天気でした。道路や橋が整備され、新しい商業施設もできてきています。世界に開かれた港町として、生まれ変わってほしいです」と願いを込めた。

 その後、東京・渋谷区のセルリアンタワー能楽堂で無観客開催される「震災復興支援朗読会」の総合ナビゲーション役を務めるため、東京に移動した。