市川海老蔵、織田信長で團十郎初ドラマ!祖父も父も演じたゆかりの役

市川海老蔵、織田信長で團十郎初ドラマ!祖父も父も演じたゆかりの役

 歌舞伎俳優、市川海老蔵(42)がフジテレビ系時代劇「十三代目市川團十郎白猿襲名披露特別企画『桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長~』」(仮題、今夏放送)に織田信長役で主演することが9日、分かった。信長は歌舞伎で祖父、父の歴代團十郎、自身と三代で演じてきた戦国武将。5月に襲名を控える海老蔵は、團十郎として披露する初ドラマに「私がイメージしている“信長”像を演じてみたく思っています」と静かに闘志を燃やした。

 歌舞伎界の大名跡を襲名する海老蔵が、成田屋ゆかりの信長役で團十郎の新たな一歩を踏み出す。

 「桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長~」(仮題)は、海老蔵の十三代目市川團十郎白猿襲名を記念した大型時代劇。戦国武将・織田信長が主人公で、圧倒的不利とされた織田軍が今川義元の大軍を破り、戦国時代の覇者へ一気に駆け上がった1560年の桶狭間の戦いを描く。脚本は、昨年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」などで知られる大森寿美男氏が手掛ける。

 信長は成田屋を象徴する役。1952年に作家の大佛次郎が、海老蔵の祖父で十一代目團十郎のために「若き日の信長」を書き下ろして以来、十二代目の父、自身と三代にわたって演じてきた。

 ドラマでの信長役は、17年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で演じて以来2度目。現在は信長の敵・明智光秀の生涯を描く放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」では語りを担当しており、5月の襲名前に再び信長を演じておきたかったという。

 制作側は「中世という時代そのものが終わったこと、権威、価値、社会システムが大きく変革したその瞬間として桶狭間の戦いを描きたい」と平成から令和に変わった“転換期”だからこそ取り組む作品と強調。海老蔵については「信長の生まれ変わりと思うくらい、ほかのキャスティング候補が思い浮かばなかった」と期待を寄せた。

 フジテレビドラマ初主演の海老蔵は京都で撮影に励んでおり、「時代劇ドラマですので、『鬼平犯科帳』などの名作で実績のあるフジテレビさんとご一緒できて幸いです。私がイメージしている“信長”像を演じてみたく思っています」と張り切っている。

 海老蔵としての集大成となる信長役であり、令和の團十郎として初ドラマとなる節目の大作で圧倒的存在感を放つ。