村上春樹の作品にも登場する「オニオンスープ」で新型コロナへの不安をやわらげよう!

村上春樹の作品にも登場する「オニオンスープ」で新型コロナへの不安をやわらげよう!

ウイルスの恐怖が広まる中、スタミナ料理として脚光

 村上春樹と糸井重里のショートショート集『夢で会いましょう』で、年金生活を送っているライオンは、隣の部屋でルームメイトがガールフレンドと愛を分かち合う間、夜食に「オニオンスープ」を温める。いつでも温めて食べられる保存食で、寂しさも慰めてくれるからだ。このスープのまた別の機能は「保養」だ。タマネギに含まれるアリシンとクェルセチンは抗ウイルス作用を持つ。オニオンスープを一鍋つくって新型コロナウイルス感染症に打ち勝とうではないか。オニオンスープがおいしい名店のシェフにその秘法を聞いてみた。

◆古代ローマで始まったスタミナ料理スープ

 オニオンスープの起源は古代ローマ時代。基本的な調理法は、刻んだタマネギをあめ色になるまでいため、スープを注いで煮込むというものだ。コムタン(牛骨スープ)と似ており、量が多いほど、低い温度でじっくり煮込むほどおいしくなる。 韓国で最も古いイタリアンレストラン「La Cantina」は、牛肉でだしを取る。脂分を取り除いたばら肉にタマネギ、人参、セロリなどを入れて白濁したスープになるまで煮た後、こす。スープボウルに炒めたタマネギ、スープを入れ、焼いた食パンを一つのせた後、任実ピザチーズをふりかけてオーブンに入れれば完成。料理長のチョン・ゴンテクさんは「以前は任実チーズしかなく、それを使っていたのだが、今ではこの味を好む人がいるので他のものに変えられない」と語った。味は砂糖とコショウ、牛肉パウダーなどで整える。

◆18世紀のフランス王室の料理

 オニオンスープが今のような姿になったのは18世紀のフランス・パリ。ルイ15世がシカ狩りをしている最中に入った空き小屋で、戸棚に残っていたタマネギ、バター、シャンパンを使って調理し、食べたのが始まりだという。

 光化門のフレンチレストラン「L’ABRI」は、牛骨を使ってだしを取る。料理長のチャン・ジョンギさんは「牛骨を前もってオーブンに入れ、茶色くなるまで180度で30分ほど焼いてからスープにする。人参、タマネギ、セロリ、ニンニクも炒めて、二日ほど煮込んだ牛骨とともに五日ほど煮込む」と語った。

1/2ページ