野田クリスタル、前代未聞「R-1」無観客大会“全クリ” 

 ピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり2020」の決勝が8日、東京・台場のフジテレビで行われ、お笑いコンビ、マヂカルラブリーの野田クリスタル(33)が優勝した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で初の無観客で実施。関係者の笑いしか聞こえない異様な空気の中、視聴者投票でも圧倒的支持を獲得。2017年のM-1グランプリ決勝でタレント、上沼恵美子(64)から激怒されたことをネタに「恵美ちゃん、ありがとう!」とシャウトして喜んだ。

 芸歴17年目の野田クリスタルが、前代未聞の“お笑い無観客試合”で初タイトルを獲得した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、大会18年目で初めて観客の来場を取りやめた今大会。スタジオにはスタッフやマネジャーら関係者約50人のみで、出入り口には消毒液やマスクが準備された。

 今回は審査員投票に加え、ツイッターなどでの視聴者投票を実施。関係者だけの笑い声が響く異様な空気の中、自作ゲームを持つほどゲーマーである野田は、スマホ版「モンスト」の「モンモンとするぜ!ストッキング姉さん」などシュールなゲームネタで予選、最終決戦ともに視聴者の圧倒的支持を獲得。優勝が決まると両手を広げ「しゃー!」と歓喜した。

 野田がボケを担当するマヂカルラブリーは主に20~30代に人気で、2017年にM-1グランプリ、18年にキングオブコントで決勝に進出した実力派。野田はお笑い界では初めて主要3大会でファイナリストになった。

 無観客開催も味方につけ、「やりやすいと思った。完全な無観客でやるネタ番組があって、メンタルが鍛えられていた。今回の件で舞台やライブがなくなり、どうやっても無観客だったのでよかった」と自然体だった。

 ファイナリスト10組で最下位だった17年のM-1では、審査員の上沼から「好みじゃない」などと笑いについて激怒されて話題に。野田は「(今回は審査員から)怒られなくてよかった。『恵美ちゃん、やったよ』と伝えたい」と体をくねらせ変顔で報告。R-1制作局の大阪・カンテレが放送する上沼の冠番組「快傑えみちゃんねる」での対面も期待されるが、「賞金500万円を使って何か献上しようと思います」とニヤリとした。

 所属する吉本興業ではチュートリアルの徳井義実(44)が、個人会社の申告漏れ問題での休業から復帰したばかり。「賞金は課金とか旅行とか雑に使いたい。税金対策? いよいよ税理士も頼んでしっかりやります」と渦中の先輩芸人をネタに会見でも笑いを取った。