NHK紅白歌合戦をデモ同時配信 スマホで見ると受信料はどうなる?

【テレビが10倍面白くなるコラム】

 どうやら、今年の大みそかは、行きつけの飲み屋で一杯やりながら、スマホで紅白歌合戦を楽しむなんてこともできそうだ。

 5月に改正放送法が成立し、NHKもテレビ番組をネットでも流す「常時同時配信」が可能になったのだが、9月の内閣改造で返り咲いた高市早苗総務相に、NHKが肥大化しかねないと「待った」をかけられ、運用開始のメドが立たなくなってしまった。いきなりちゃぶ台返しされて慌てたNHKは、同時配信の業務費用を大幅に削減し、配信も24時間ではなく1日17時間程度にする縮小案を提示、来年度から本格スタートできそうなところまでこぎつけた。

「高市の狙いが、総務省影響下にあるかんぽ生命の不正を厳しく追及された意趣返しであることはミエミエですが、NHKは東京オリンピックのネット配信が悲願ですから、たちまち折れた。これで、来年3月26日の福島の聖火リレー出発式から同時配信が始まることになります。その前宣伝で、紅白歌合戦のネット配信が行われるはずです」(テレビ番組構成作家)

 紅白では、歌の合間にリポーターが繁華街から大みそかの賑わいを中継し、「私もいま紅白見てま~す、これで!」とスマホをかざすような演出があるかもしれない。

 年末年始には、すでに同時配信されている大きな番組がある。正月2、3日の日本テレビ系「箱根駅伝」だ。沿道でスマホで選手の接近を確認しながら応援するというように使われていて、今年の最大接続数は11万5000だった。テレビの視聴者数と比べれば微々たるものだが、倍増ペースで増えているという。

 NHKの同時配信で気になるのは受信料である。別途、支払わなければならないのか。

「同時配信が見られるのは、受信料を払っている世帯が登録したスマホやパソコンだけ。受信料を払っていないと、契約を促すメッセージが映像にかぶるように表示され、画面の一部しか見えません」(NHK関係者)

 ただ、紅白歌合戦はデモ配信だから、どのスマホ・パソコンでもそのままの映像で見られるようだ。

(コラムニスト・海原かみな)