渡辺謙、映画「Fukushima50」は「国難の岐路に何をすべきかヒントになる」

渡辺謙、映画「Fukushima50」は「国難の岐路に何をすべきかヒントになる」

 俳優、佐藤浩市(59)と渡辺謙(60)が4日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で6日公開の映画「Fukushima50(フィフティ)」の会見を行った。

 世界73カ国・地域での上映が決まっており、マスク姿が目立つ120人の海外メディアが出席。日本をはじめ新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、渡辺は「未来は予見できない。国難の岐路に立たされたときに何をすべきか、ヒントになる映画」と胸を張った。

 同作は2011年の東日本大震災による福島第1原発事故の裏で戦った原発作業員50人の物語。

 原発の最前線で作業を指揮する1・2号機の当直長・伊崎を演じた主演の佐藤は「被災者の痛みを含め映画化は早いと思っていた」と告白。1月に福島で舞台あいさつを行い、「現地の方に『ありがとう』と言われ、震災を風化させないためには逆にギリギリだったのかも」と吐露した。

 渡辺は震災当時に第1原発所長で13年に死去した吉田昌郎さんを熱演。役作りについて「共通項は背が高いぐらいでコピーしても仕方なかった」とジョークを飛ばしつつ、「吉田さんと仕事をした方に話を聞いて大きな役作りになった。未来に向かう大きなステップになる映画です」と“世界”にアピールした。

 同席した若松節朗監督(70)は、海外メディアから製作にあたり政府や東京電力から圧力があったか聞かれ、「元総理も映画をご覧になっていて、いまだに何もない」ときっぱり。製作代表を務めるKADOKAWAの角川歴彦会長(76)は、俳優で映画監督の故津川雅彦さんから原案の持ち込みがあったと明かし、「あまりにもテーマが難しくて諦めかけていたときに原作本と出会い、これなら映画化できると。津川さんの夢をかなえたかった」と製作への思いを説明した。