鬼束ちひろ「私の歌は祈り」 デビュー20周年、音楽への向き合い方を語る

引用元:J-WAVE NEWS
鬼束ちひろ「私の歌は祈り」 デビュー20周年、音楽への向き合い方を語る

J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)。2月27日(木)のオンエアでは、今年デビュー20周年を迎えた鬼束ちひろがゲストに登場。2月20日(木)にリリースしたオールタイムベストアルバム『REQUIEM AND SILENCE』の話や、おすすめのYouTuberを語った。

鬼束ちひろ、おすすめの猫動画は 鬼束ちひろ「私の歌は祈り」 デビュー20周年、音楽への向き合い方を語る J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)

音楽で人は救えない、だからこそ祈りを歌う

19歳でデビューした鬼束。デビュー当時について訊かれると「昨日のことみたいで、1500年前のことみたい」と、時の流れを独特な表現で語った。

アルバム『REQUIEM AND SILENCE』は、日本語だと「鎮魂歌と静寂」。どんな意味を込めたのか。

鬼束:音楽の仕事をしているということは、音が鳴るじゃないですか。ということは、もはや静かなんですよ。
サッシャ:音が鳴るということは、もはや静か。
鬼束:意味がわからないけど(笑)。「REQUIEM」のほうが大事なんですよ。なにかつけたくて「SILENCE」って付けたんです。私、音楽で人はあまり救えないと思ってるんですよ。だって、本当に生きるのが大変な人は曲なんか聴いてないと思いません? だから私の歌は祈りです。
サッシャ:魂を鎮める祈りであると。(音楽に)救われている方もいると思いますけどね。 鬼束ちひろ「私の歌は祈り」 デビュー20周年、音楽への向き合い方を語る オールタイムベストアルバム『REQUIEM AND SILENCE』発売中

新曲制作秘話を明かす

鬼束は、この20年間「優しくなりたい」と思いながら音楽に向き合ってきたと言う。

鬼束:自分にめちゃくちゃ自信がないので、鏡を見る自分も名前を呼ばれる自分も、いつもビクってするから。自分が自分でないみたいだから、たぶん投影物みたいになれるんだと思う。
増井:歌を歌っていると?
鬼束:はい。偉いとか偉くないじゃなくて。だから私は、シンガーソングライターというよりエンターテイナーを心がけてる。ライブでも人に向かって歌うし、『書きかけの手紙』を録ったときも、友だちからもらったプレゼントを持ってブースに入って歌いました。

『REQUIEM AND SILENCE』のために書き下ろされた未発表新曲『書きかけの手紙』は、実話から生まれたそうだ。

鬼束:喧嘩してもすごく仲がいい人がいて、「ちーちゃん、まともじゃなくても全然大丈夫だから」と言うんですよ。でもそれってリスキーだと思うんです。「まともじゃない」という前提で話してるわけだから。でも、それも組み込んで言ってくれた優しさがすごく心に響いちゃって。
サッシャ:その言葉から出来上がった曲なんですね。
鬼束:そのままサビにしてます。あまり実話を歌詞にしないんですけど、20周年ということでリアルだから出したかった。