「ドラクエウォーク」が「Google Play ベスト オブ 2019」のベストゲームに!!

引用元:Impress Watch

 東京・六本木にあるグランドハイアット東京にて12月6日、「Google Play ベスト オブ 2019」の表彰式が開催された。

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 これはGoogle Playを通じてリリースされているさまざまなアプリのうち、大きな話題を集めた人気タイトルを表彰するもので、アプリ、ゲーム、マンガ、映画と4ジャンルでそれぞれ作品を選んでいく。ゲームはさらにエキサイティング部門、クリエイティブ部門、インディー部門、キュート&カジュアル部門、ユーザー投票部門と5つの部門が設定され、それぞれに5つのタイトルが事前に「優秀賞」として発表されていた。

 19時からはじまった今回の表彰式では、各部門ごとに大賞と最優秀賞が発表となった。各部門の優秀賞と、大賞、最優秀賞を受賞した作品は以下の通り。

■「Google Play ベスト オブ 2019」ゲーム部門受賞タイトル

【エキサイティング部門】

【インディー部門】

【クリエイティブ部門賞】

【キュート&カジュアル部門】

【ユーザー投票部門】

■ベストゲーム 2019は「ドラゴンクエストウォーク」が受賞!!

 各部門の表彰が終わった後、改めて今年1年の“ベスト”が発表された。受賞したのは、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストウォーク」。檀上に登場したのは、ゲーム業界のレジェンド堀井雄二氏と、「ドラゴンクエストウォーク」のプロデューサー柴貴正氏だ。

 ステージでハリー氏よりコメントを求められた堀井雄二氏はその喜びを「『ドラゴンクエストI』を作ったのは今から33年前なんですけども、新作が発表されて、それが大賞だなんて、本当にうれしいです。感激をしています。感無量です。どうも皆さんありがとうございます」と表現した。

 ゲーム内で高尾山の山頂付近に堀井氏が「自宅」を建てたというエピソードにハリー氏が触れると、「まだ家はあるんですか?」と質問をすると、「まだあります」と笑顔で答えていた。

 続いてプロデューサーの柴氏は、「33年前、小学生のときに発売日に買ったゲーム。こうやって作り手の堀井さんとまた新しい『ドラゴンクエスト』を作れることが非常に楽しいことだと思いますし、あの高尾山の位置を選んだのは私なので、あの堀井雄二を高尾山まで連れて行ったというのは、感無量です。世界中の人たちをもっといろんなところへ歩かせて連れて行きたいと思います。ありがとうございました」と続けた。

■「ドラゴンクエストウォーク」に対する堀井氏の採点は90点!

 表彰式後には、「ドラゴンクエストウォーク」の堀井氏、柴氏、続いて「マリオカート ツアー」および「ドクターマリオ ワールド」の今野秀樹氏を招いての囲み取材も行なわれた。

 最初に向けられた質問は、国内のみで展開している「ドラゴンクエストウォーク」の海外展開について。

 「意向から言うと、(海外展開を)したいですよね。ただ、いろんな規制や歩くのに適していない土地なんかといった問題があって難しいですね」(堀井氏)。

 2日前にはニューヨークへいっしょに行っていたというお2人。「ドラゴンクエストウォーク」の通常のプレイはできないために、ゲーム中のアイテムである「においぶくろ」を使ってモンスターを出現させて無理矢理に遊んでいたという。ハンバーガーを食べつつ「いつか(海外展開が)できるといいな」と話していたという。

 ちなみに堀井氏は今も「ドラゴンクエストウォーク」を遊んでいるそうで、なんとメインのキャラクターのレベルは52とのこと。「課金はされていますか?」との質問には「多少は」と笑顔で答えていた。

 また、「ドラゴンクエストウォーク」の優れた点を問われると、「皆さん表に出られるようになったことですね。健康的なゲームですよね。このゲームをやって3kg痩せたという人もいますし」と堀井氏。「おみやげシステムで旅行に行くきっかけができた」とも語っていた。

 一方、柴氏は「位置情報を活用したゲームはいろいろ出ていますが、僕たちはゲームクリエイターなので、ゲームらしいものを作りたいと思っていました。位置情報とゲームって親和性の面で難しい部分があるんですけれど、そこがきっちり合致したことがほかの作品との違いではないかと思っています。あとは堀井さんがおっしゃったように、室内で遊ぶものだったゲームを外で遊ぶことがすごく楽しかったろうし」と続けた。柴氏もこの作品で2~3kg痩せているそうだ。

 最後はなんと、柴氏が「堀井さん、『ドラゴンクエストウォーク』に100点満点で点数をつけるとしたら何点ですか?」と堀井氏に対して質問を投げかけた。これを受けて堀井氏は「いや、90点くらい行くと思いますよ!」と応えた。

■そのデバイスで実現できる最上の楽しさを追求する任天堂

 続いて、「マリオカート ツアー」でクリエイティブ部門、「ドクターマリオ ワールド」でキュート&カジュアル部門の大賞と二冠に輝いた任天堂の紺野秀樹氏がメディアからの質問を受けた。メディアから最初に投げかけられたのは、モバイルの幅広いユーザー層に対し、任天堂はどういったところにターゲットを定めているのか、という質問だった。

 「『ドクターマリオ』にしても『マリオカート』にしても、もともと多くのユーザーに遊んでいただいているタイトルなので、基本はあまり変わらないんですけど。たとえば『マリオカート』でいえば今回は本当に幅広い、たとえば世界レベルで見ても若い年齢の方、しかも男女に遊んでいただいていますし、モバイルだからと高い年齢層に偏るいったこともなく、本当に多くの人たちに遊んでいただいています。そこに驚きもありますし、改めて任天堂のタイトルを遊んでくださっているお客様の広さを実感しているところです。なので特別にどこかターゲットを決めるというよりは、やっぱり多くのお客様に遊んでいただきたいという想いがあって開発しています」(紺野氏)。

 コンソールゲームと違ってモバイル端末は性能差が大きい。そこに対する質問もあった。

 「できるだけ多くのお客様に遊んでいただきたいとブランドデザインでゲーム開発を進めていますが、そこに苦労は多いです。多くのかたに遊んでもらうために、なるべく多くの端末で一定のパフォーマンスをちゃんと維持して楽しく遊んでもらう。いわゆる“手触り”がとても大事だと思っていますので、そこを重視しながら開発しています。たとえば『マリオカート ツアー』で言えばゲーム専用機と同じように60fpsにこだわって開発していますし、日々、チューニングを重ねてきてそれを実現できたことがよかったのかな、と思っています。機種は多いですけど、その分、チューニングを重ねていて、気持ち的としてはゲーム専用機とあまり変わりがないですね」(紺野氏)。

 モバイル端末での開発におけるおもしろさや苦労した点についての質問には、紺野氏は操作環境の違いを挙げた。

 「ゲーム専用機ですと物理的なコントローラーとボタンでゲームを遊んでいただけるのに対して、モバイルではタッチスクリーンが使われます。それを置き換えてもいかに楽しく遊べるかに力を入れて開発しています。『スーパーマリオ ラン』と同様、片手で楽しく遊べる『マリオカート』を今回作りました。テーマは“そのデバイスにジャストフィットした遊び”を開発していくということ。それを実現できたと思っています。

 スマートフォンできちんと遊べるものを作るにあたって、コントローラに依存せずにタッチスクリーンでシンプルに遊べるよう、そこに集中して開発していきたいという想いがあります。なので、モバイル端末用のコントローラーを発売するようなことはせず、現状のデバイスのままで楽しく遊べるゲームを開発していきたいと思っています」(紺野氏)。

 そのブレない開発姿勢こそが任天堂らしさであり、魅力、強みなのだと改めて感じるコメントだった。

GAME Watch,かすみ・しゅういち