ソニーミュージックがYouTuber等を支援 ソーシャルクリエイターレーベル『Be

引用元:オリコン
ソニーミュージックがYouTuber等を支援 ソーシャルクリエイターレーベル『Be

 数多のアーティストを発掘・育成してきたソニーミュージックが、YouTubeを含むソーシャルメディアを中心に活動するクリエイターをサポートするプロジェクト『Be(ビー)』を立ち上げた。なぜ今なのか、マネタイズポイントはどこかなど、その取り組みをうかがった。

【写真】「Be」チームスタッフ写真、総勢14名がサポート

■クリエイターのニーズを可能な限り支援する体制に

 芸能人や人気タレントのYouTubeチャンネル開設などが続き、同時にインフルエンサーやそのエージェンシーの存在感が増す昨今。ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)がネット領域で活躍するクリエイター向けソーシャルクリエイターレーベル『Be(ビー)』を始動した。第1弾の所属クリエイター募集が現在行われている。

「参入のタイミングとして遅すぎじゃないのか、という声もあります。ですが、エンタテインメントの領域においては、“早い”“遅い”ではなく、いかに才能を発見し二人三脚で成長できるかが大事だと考えています。実際、グループ内にYouTuberから女優を目指すめがねやVTuber輝夜月が所属していたり、スカイピースやゲーム実況者わくわくバンドがレーベルよりリリースしていたり、各部門でそれぞれに、インターネット上での動画表現を主戦場とするクリエイターとの接点は増えつつあって。あとはいつ、どのようにプロジェクト化するかという判断だけでした」(ソニー・ミュージックエンタテインメント・三浦紹氏)

 応募資格は、自身が表現者となり、動画チャンネル/メディア/アカウントを運営しているかどうか。年齢・国籍は不問。特定のマルチチャンネルネットワークに所属がなく、YouTubeチャンネルでオリジナル動画コンテンツを公開していることが条件となる。

「1次の選考、2次の面接審査で選ばれた後、SMEとのエージェント契約を締結するというのが大まかな流れです。その上で、いわゆる音楽ビジネスでSMEが培ってきたノウハウを活用していく。音源のクオリティを上げる事はもちろん、グッズ制作やイベント、ファンクラブ運営といった幅広いサポートを提供していきます。また、育成プログラムのみへの参加という形式になる方も、同時に選考していこうと考えています。いずれにしろ、クリエイターそれぞれのニーズがまずあって、それを可能な限り支援するという体制です」

■いろいろな領域のトンマナを理解し、境界線を取り払い、ミックスしていく

 既存のエージェンシーと同様、チャンネル戦略立案や動画制作環境のサポート、企業タイアップ案件のマッチングなどに加え、SMEならではのエンタテインメントにまつわる豊富なリソースが援用できるということになる。基本的には「歌ってみた」「弾いてみた」など、いわゆる音楽系のYouTuberを想定しているのだろうか。

「グループ全体で考えれば、スポーツにもアニメにも積極的に取り組んでいますし、今回も音楽に限った募集ではまったくありません。エンタテインメント領域は、特にネット動画の出現以降、本当にニッチなニーズと才能が可視化され続けていますよね。たとえば包丁を研ぐだけの方や爬虫類系YouTuberなど、世界にあらゆるジャンルのエンタメ領域があり、ファンがいて、成立している。

 とにかく何か自分のなかにあるものを表現したいという衝動を、ギターでもターンテーブルでもなく、スマホを持って表現している時代なんですよね。だからこそ、そこに全力で応えていけるエージェントを目指します。あくまでYouTubeは才能を映す窓のひとつであり、そこ以外にも本人の潜在的な価値は必ずあるはずです。それらを開発し、最大化する機能を実装していきたい。人と人が綿密にコミュニケーションしながら、課題解決し、一緒に成長する。それが結局SMEの持つ個性であり、最大の強みなのだと思っています」

 先般実施されたSMEのキッズ専門YouTubeチャンネル『KIDSTONE TV(キッズトーンティービー)」によるオーディションなど、動画クリエイター発掘・育成は、いわばグループ全体の重要テーマのひとつとなっているようにも見える。

「新しいメディアに対応できる才能との接点を増やすことで、たとえばグループ内の各レーベル所属の音楽アーティストやお笑い芸人とのシナジーなども期待できます。また、育成プログラムや技術的な講習会などの場で、多様なクリエイター同士が交流を持つことで、新たなコラボやユニークなコンテンツが生まれてくるかもしれない。いろいろな領域のトーン&マナーをきちんと理解した上で、境界線を取り払い、ミックスしていく役割も『Be』にはあるはず。何よりまずクリエイターありき、というマインドで、『Be』プロジェクトを展開していきたいと考えています」

『Be(ビー)』
所属クリエイター第1弾の応募受付は、2020年3月22日(日)23時59分まで
<対象者>
本人が表現者となり、動画チャンネル/メディア/アカウントを運営している
<募集資格>
・年齢 / 国籍不問
・2次審査以降の審査に参加できる
(面接は東京都内で実施。遠方の場合は、ビデオ通話での審査も可能)
・特定のMCNに所属がない
・自身のYouTubeチャンネルをもっており、自身のアカウントに動画コンテンツを公開している
※今回の募集は動画クリエイターを対象とし、写真での表現活動のみは対象外
※18歳未満(未成年者)の応募は、保護者の同意が必要