祝64歳! 桑田佳祐 粋な洋楽オマージュと遊び心を紐解く

引用元:TOKYO FM+
祝64歳! 桑田佳祐 粋な洋楽オマージュと遊び心を紐解く

高橋みなみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「高橋みなみの『これから、何する?』」。毎週水曜日は、音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんとお届け。2月26日(水)の放送では「洋楽リスナーが思わずニヤける初期サザンの遊び心を聴く」をテーマにお送りしました。

この日は桑田佳祐さんの64歳の誕生日を記念して、サザンオールスターズの曲を特集。桑田さんの粋な洋楽オマージュを紹介しました。芳朗さんによるとサザン初期の曲には、洋楽のタイトルをもじったり、洋楽のフレーズを忍ばせたりするなど遊び心を発揮したものがあるそう。ただし「あくまで僕の“妄想”。それを踏まえて楽しんでほしい」と芳朗さん。

◆「ごめんねチャーリー」(1980年)

レイ・チャールズの「Unchain My Heart」をモチーフにしたと言われる楽曲。芳朗さんは「ちょっとあなたの曲を拝借してごめんね、という意味でこのタイトルにしたのでは」と推測します。実は、レイはサザンの楽曲「いとしのエリー」を1989年に英詞にしてカバーしています。芳朗さんは「桑田さんは『ごめんねチャーリー』とレイにラブレターを送って、レイは『いとしのエリー』で返したような。音楽の往復書簡がおこなわれたとも言えるかもしれませんね」と話しました。

◆「恋はお熱く」(1978年)

モチーフと言われるエルヴィン・ビショップの楽曲「Fooled Around and Fell in Love」の日本語タイトルは「愛に狂って」。タイトルも寄せつつ、イントロもどこか近い雰囲気ですが「桑田さんの声が入った瞬間にサザンワールドになる」と芳朗さん。

◆「いとしのフィート」(1978年)

米ロックバンド、リトル・フィートの「Feats Don’t Fail Me Now」がモチーフと言われる、同曲のタイトルを見たたかみなは「そのままじゃないですか」とツッコミ。「リスペクトと遊び心のバランスが最高」と笑いました。

◆「Young Love(青春の終わりに)」(1996年)

モチーフと言われる米ロックバンド、ユートピアの曲「I Just Want To Touch You」は、そもそも初期ビートルズのパロディーソング。したがって「Young Love」も同様のアプローチで、芳朗さんは「初期ビートルズ感みたいなものをパッケージした素晴らしいオマージュソング」「サザンとビートルズが見事に両立している」と絶賛しました。

特集を終え、たかみなが「桑田さんの『本当に音楽が好き!』、という思いが感じられて。お茶目さもあって楽しい」と感想を述べると、芳朗さんは「洋楽オマージュなど桑田さんのお茶目心が、熱心な聴き手との暗黙のコミュニケーションになっているところがある。それが結果として、サザンというバンドの信頼感にもつながっているのでは」と話していました。

(TOKYO FM「高橋みなみの『これから、何する?』」2020年2月26日(水)放送より)