歴代の女性秘書役は指定席…囁かれる「オスカー枠」の存在【人気ドラマ「ドクターX」の宿命】

【人気ドラマ「ドクターX」の宿命】(上)

 人気ドラマのシリーズ化は、安定した視聴率が見込める上、レギュラー出演者も出演料の交渉ができることから、テレビ局、演者、芸能事務所にとっては決して悪い話ではない。

「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)で、主人公の田中圭(35)と“ヒロイン役”の吉田鋼太郎(60)の間に割って入り、インパクトの大きい役を演じた林遣都(29)のように、強烈な役を演じることで役者としてのイメージが固定されるのを懸念し、あえて出演を見送る場合もある。もちろん、スケジュールの都合で、泣く泣く降板するケースもあるだろう。

 今期でシリーズ第6期を迎えた「ドクターX」(同)も、続編が報じられるたび、主演の米倉涼子(44)が「大門未知子」のイメージの定着化を懸念し出演を渋っていると、関係者の話が漏れ伝わってくる。出演料交渉のための意図的な情報漏洩との指摘もあるが、真偽は不明だ。

 高視聴率が見込める「ドクターX」に所属タレントを出演させ、露出を高めたい芸能事務所をはじめ、さまざまな関係者の思惑が複雑に絡み合う、人気ドラマの宿命を3回にわたって、お届けしたい。

■公式HPで主演の米倉以外の女優もアピール

 ドクターXの女性秘書役といえば、米倉が所属する「オスカープロモーション」の指定席といわれている。これまでも、林丹丹(第1期)、笛木優子(第2期)、内藤理沙(第3期)、田中道子(第4期)、是永瞳(第5期)、鹿沼憂妃(2016年スペシャル)、そして現在放送中の第6期は河北麻友子と、全員がオスカー所属だった。

 女性秘書役以外でも、多くのオスカー所属のタレントが出演しており、第6期の看護師役では、川瀬莉子が出演。ちなみに、オスカーは自社のホームページでドラマのタイトルロゴを使用し、出演中の3人を宣伝している。

 キャスト・スタッフロールにも「企画協力 古賀誠一(オスカープロモーション)」と記載されている通り、蜜月の関係である。バーター、セット売りといわれるのには、それ相応の理由があるのだ。=つづく

(ライター・田丸大志)