ユーチューバーで将棋講師を務める折田翔吾アマ(30)が25日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた棋士編入試験5番勝負第4局で本田奎五段(22)に勝ち、通算3勝1敗として試験に合格。4月1日付で四段(棋士)に編入する。
会見での質疑は以下の通り。
Q今の気持ちは。
「なかなか感情が出てこないです。これで一区切りかという気持ちですが、棋士になれるのは不思議な感覚です」
Qユーチューブとは。
「ユーチューブを始めたのは本当に思いつきで、何の展望もなく始めただけでした。しかし、やってみたら反響を頂いて、奨励会退会後も将棋に取り組むモチベーションになりました。生計も立てられたので、私にとって大きなものです」
Q今後はどのように活用しますか?
「これからも動画の活動(将棋講師)をやりながら、棋士としても役立てていけたらいいなと思います。動画を通して多少目立てたらと。何か自分らしさ、特色を出していけたらと思います」
Qなぜ合格できたと思うか。
「試験まで来られたことも不思議で、勝てたことも不思議なのでなんとも分かりません。でも、奨励会にいる時よりも、ユーチューブの視聴者の方々に応援していただいたモチベーションが大きかったと思います」
Q退会した時は今を想像できたか。
「編入試験(の資格獲得)が近づくまではアマチュアとして将棋に携わっていけたらと思っていました。編入試験は遠い夢としてやってきただけでした」
Q棋士とは。
「奨励会に入ってから16年が経っているので、長い期間の憧れでした。大きなものです」
Q夢を叶えた感慨は。
「信じられない、というのが正直なところです。夢を見ているのか、と。手術台のベッドの上で薬を(体内に)導入されて自分の望む夢を見させられているような」
Q今後、どんな舞台で指したいか。
「今回の試験も注目していただいて、大きな舞台で指すことが出来たのは幸せでした。アゲアゲ(ユーチューブのアカウント名)物語の第1章は終わり。第2、3章とストーリー性があるような棋士になれたらと思います」
Qユーチューブの視聴者に対して。
「4年ほど前から始めて、応援をしていただかなければ今ここにいません。感謝です。感謝しかないです」
Qどんな言葉をもらったか。
「『私も人生の中で挫折をしたけど、勇気をもらっています』という言葉が印象に残っています。奨励会時代は自分も孤独に戦っていた。自分も、そういう(勇気を与えられる)存在としていられたら」
Q誰に喜びを伝えたいか。
「お世話になっている師匠の森安正幸七段に。継続することの大きさを教えていただきました」
Q第4局の本田奎五段は最強の相手だった。
「なんで五段の人がいるんやろう、と思いましたけど、ぶつかっていくだけだと思いました」
Q第2局を落とした時は。
「打ちひしがれて深刻な状況でした。内容もひどかった。でも第3局で勝てて気分も上がって。きょう決めないと望みは薄いのでは、と思っていました。半年間、長丁場だったと思います」 報知新聞社
ユーチューバーから棋士へ 折田アマ一問一答「アゲアゲ第1章は終わり」
引用元:スポーツ報知