柚香光「はいからさんが通る」で新トップスターとして本拠地でお披露目! 異例の再演に「ええっ!?と衝撃」

引用元:スポーツ報知
柚香光「はいからさんが通る」で新トップスターとして本拠地でお披露目! 異例の再演に「ええっ!?と衝撃」

 宝塚歌劇花組・柚香光(ゆずか・れい)が、ミュージカル「はいからさんが通る」(兵庫・宝塚大劇場で3月13日開幕)で、新トップスターとして本拠地でお披露目される。2017年に外部劇場初主演を果たした出世作が、大劇場で異例の再演。当時の相手役で、昨年4月にトップ娘役となった華優希(はな・ゆうき)と、今度は花組の大看板として臨む。第95期生の“花男(はなおとこ)のエース”は「お芝居の仕方、セリフの解釈など2人が育んできた時の流れは大事にしつつ、新鮮な気持ちで公演を作っていきたい」と目を輝かせる。(筒井 政也)

 入団9年目に評判になった伝説の舞台がスケールアップして復活する。再演決定時は「ええっ!?と衝撃で。大劇場での再演って一体…?」と戸惑いもあったという柚香だが、主人公・伊集院忍について「初演時は夢のような王子様という印象が強かったんですが、改めて出会うと彼の人間らしさ、弱さや欠点も感じられて、より魅力を感じる」と2年半ぶりの“再会”を喜んだ。

 1975~77年、「週刊少女フレンド」で連載された、大和和紀さん原作のロマンチックコメディー。大正時代の東京を舞台に、快活な女学生・花村紅緒(べにお=華)と、婚約者の陸軍少尉・忍の恋を描く。

 前回は別作品に出演していた生徒も含め、組子全員での挑戦だ。「人数が増えるから派手に見えるわけではない。2階席のお客様まで心の機微を伝えるためには、勢いだけ、キャラクターだけでは難しい」と深みを意識する一方、「経験値、知識が増えたことがいい方向に作用すればいいですが、もともとあった華やかさ、愛きょうを消す可能性も。バランスが難しい」。組全体や作品を繊細に考えることはトップとしての重要任務。「簡単にいうと、みんなにすごく見られているので」(笑い)。プレッシャーも力に。華とのトップコンビも「ポスターでは、めっちゃ寄り添っていますが、ちゃんと自立した2人でありたい」と力強く宣言した。

 1月のプレお披露目「DANCE OLYMPIA」を無事完走し、自信が付いた。「『頑張れば絶対大丈夫』と大きな余韻が残りました。いい芸事が生まれた瞬間、どんな空気が生まれるのかを感じましたし、困難にぶち当たった時の自分が以前とは違っている」。同期の星組トップ・礼真琴の本格始動も刺激に。「劇団でたびたび会っているんですが、彼女の表情、醸し出すオーラ、声色が変化している。多くのことを感じる日々なんだろうな」。立場の重みに武者震いする。

 くしくもインタビュー直前、雪組トップ・望海風斗(のぞみ・ふうと)の10月退団が発表された。望海が花組時代、新人公演で望海の役に3度挑戦。恩人だ。「私の“宝塚幼少期”に一番、後姿を見て、男役としての情熱、芸事への厳しさを感じた方。『花組の男役たるものは…』を一番教えていただいた」。望海、そして前トップ・明日海りおの第89期コンビは「私にとって、大きな大きな存在ですね」と最敬礼する。

 自身も花組イズムの伝道者になる。「伝統の重さはすごく感じます。歴代のトップさんがどんな思いで引き継いで、闘って来られたのかをバシバシ感じることがあり過ぎる。敬意を払いたい。私は『花男』しか知らないですけど、そこに誇りと自信を持っている生き物なんです」(笑い)。情熱をたっぷり注いで、乙女の園に新たな花を咲かせる。

 ◆柚香 光(ゆずか・れい)3月5日生まれ。東京都杉並区出身。2009年4月「Amour それは…」で初舞台。第95期生。花組配属。新人公演主演3度。14年「ノクターン」で宝塚バウホール初主演。19年の外部劇場主演作「花より男子」も話題に。同年11月25日付で、明日海りおの後任として花組トップスター就任。7月25日~8月10日には大阪・梅田芸術劇場メインホールで、ブロードウェーミュージカルの宝塚版「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」に主演。身長171センチ。愛称「れい」。 報知新聞社