マスク着用で指導対局 将棋の里見香奈女流名人が野田市で11連覇を報告

引用元:スポーツ報知
マスク着用で指導対局 将棋の里見香奈女流名人が野田市で11連覇を報告

 「第2回宝珠花(ほうしゅばな)小僧将棋まつり」が22日、千葉県野田市で開催され、里見香奈女流名人(27)=清麗、女流王位、倉敷藤花=が出演して指導対局などを行った。

 谷口由紀女流三段(26)の挑戦を受けた第46期女流名人戦5番勝負を3勝0敗で防衛し、11日に女流棋戦史上最多の11連覇を達成した里見。第4局の対局予定地だった野田市の「いちいのホール」を訪れ、約50人のファンに連覇を報告した。

 地元の宝珠花地区が生んだ「近代将棋の父」こと関根金次郎十三世名人の幼少期の異名から命名された「宝珠花小僧将棋まつり」。多数の将棋愛好家たちの前であいさつした里見は「新型コロナウイルスが流行し、外出するにも不安をお感じになる中でお越しいただき、誠にありがとうございます」と感謝。前人未踏の記録を達成したシリーズを「定跡ではなく力戦の将棋が続き、谷口さんが細かい工夫をされていたので指していて楽しかったです。楽しいと思えたことが良い方向に作用して結果につながったのかもしれません」と振り返った。「今年は五輪もあるので。昨期とは違うシーズンになります。体調に気を付けて全力で対局に臨みたいです」。

 トークショーコーナーで男子小学生から「負け続けて悔しい時、どうすればいいですか?」と問われると「負けて悔しいということは強くなる可能性があるということ。勝つ喜びのために毎日勉強を頑張ってください」とエールを送った。

 日本将棋連盟は21日、新型コロナウイルスの感染予防として同日から3月31日までに開催される100人規模の主催イベントを中止、あるいは延期とする対応を発表したばかり。野田市が主催する今回のイベントは小規模ということもあり、熟慮の末に実施が決まった。

 イベントには及川拓馬六段(32)、香川愛生女流三段(26)、渡部愛女流三段(26)、真田彩子女流二段(47)、渡辺弥生女流初段(40)も出演して指導対局や席上対局に臨んだ。

 指導対局は全員マスク着用で行われ、マイクも除菌した上で使用するなど対応が取られた。イベント後、及川六段は「このご時世ですので、来ていただいたお客様に感謝しております」と語った。

 来期女流名人リーグで挑戦権獲得を目指す香川女流三段は「来期はリーグ8期目になりますので、今までの経験を生かしていけたら」と抱負。同じく渡部女流三段も「来期は結果にこだわって、一戦一戦を頑張りたいです」と長丁場の勝負を見据えていた。 報知新聞社