『蒼炎の軌跡』の続編、『FE 暁の女神』 心惹かれた「悪の中間管理職」の生き様

引用元:マグミクス
『蒼炎の軌跡』の続編、『FE 暁の女神』 心惹かれた「悪の中間管理職」の生き様

 2007年2月22日にWii専用タイトルとして発売された『ファイアーエムブレム 暁の女神』(以下、暁の女神)は、ゲームキューブ専用タイトル『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』(以下、蒼炎の軌跡)の3年後が舞台の続編です。本作は4部構成の群像劇となっており、『蒼炎の軌跡』から続く戦争の系譜をはじめ、いわゆる人間である「ベオク」と、獣や鳥、竜の特徴を持つ「ラグズ」の争いや神々の介入など、テリウス大陸全土を揺るがした物語を大胆に描きました。

【画像】『暁の女神』の魅力的なキャラクターたち

 基本的なゲームシステムは前作を踏襲しつつも、さまざまな試みがなされていた点も特徴です。『FE』シリーズ初となる高低差の実装も注目に値しますが、なかでも演出面は特筆すべきポイント。ハードがゲームキューブからWiiへと移ったこともあり、戦闘中のキャラモーションがバリエーション豊かになったほか、要所で挿入されるCGムービー数も大幅アップ。「総勢200名近くの開発スタッフのうち、約半数が美術スタッフだった」(当時のインタビューより)という逸話からも、開発陣の力の入れ具合が伺えます。

 そのような演出面に加え、本作に登場するキャラクターたちも十二分に魅力的。暁の団の一員としてだけでなく、旧デイン王国の復興を願い戦場に乗り出す「ミカヤ」。彼女を側で支えるべく、仲間たちと一緒に戦いに挑む「サザ」。そして第3部からは、ベグニオン帝国とラグズ連合のにらみ合いを前に、『蒼炎の軌跡』でクリミアを勝利に導いたグレイル傭兵団の長「アイク」も参戦し、立場や所属、思想までも異なる人々の視点から物語が紡がれます。

 筆者個人としては、前作キャラクターの参戦は嬉しいポイントでした。3年という時間を経た彼(彼女ら)の成長ぶりを見ることができ、旧友と久々に再開した気分を味わえたからです。ピンクのショートカットが目立つマーシャは、時の流れからか髪が伸びていたり、パープルのロングヘアーに天真爛漫な性格のワユは、根本的な部分は変わっていないながら、やはり女性らしい体格になっていたり……。どうしても女性キャラの麗しさに目が行ってしまいましたが、前述のアイクが今まで以上に”筋肉質”になっていた事実には、良い意味で期待を裏切られました。