オードリー・若林はまだ過小評価されてる? アイドルから“しくじり”まで輝かせる当代随一の“カメレオンMC”

引用元:オリコン
オードリー・若林はまだ過小評価されてる? アイドルから“しくじり”まで輝かせる当代随一の“カメレオンMC”

 昨秋にスタートした『あちこちオードリー~春日の店あいてますよ?~』(テレビ東京系)をはじめ、お笑いコンビ・オードリーが出演する番組は、業界関係者、世間から非常に評価が高く、長寿化への期待が高まっている。なかでもMCを務めることの多い若林正恭は、番組によって巧みにアプロ―チを変えながら、存在感を誇示。『M-1グランプリ2008』で準優勝して以降、活躍の幅を広げ、スタッフからも圧倒的な信頼を得ている若林のMC力とは?

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◆メインMCから“裏回し”まで…どんな共演者にもキャラを与えて番組に馴染ませる辣腕

 若林のMCにおいて特筆すべき点は、番組の特色に応じて自らの立ち位置を巧みに変えることが出来る汎用性の高さにある。共演者がどんな相手でも自分のやり方を崩さないストロングスタイルのMCが多い中で、その環境に応じて求められる役回りを完璧にこなしながらも、自分の存在感をきっちりと残す。それが“カメレオンMC”としての若林の大きな強みと言えるだろう。現在、レギュラーを務める番組を例に出してみよう。

 『潜在能力テスト』(フジテレビ系)では、コーナータイトルコールや誤答いじり、回答者へのフリなどクイズ番組としての進行をそつなくこなしながら、各チームのリーダーをたてて見せ場を作ったり、フォローしたりツッコんだりして色を出している。

 通常の進行しながらも共演者の個性やキャラクターを適切に創造する力をいかんなく発揮しているのが『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)だろう。当初は、日向坂46のバラエティー適性が全く分からないままスタートしたが、企画を重ねるごとにメンバーの個性を徐々に把握。メンバーの「アイドル」という立場を十分に理解しつつ、ギリギリを攻めた緩急自在のフリ、ツッコミでメンバーの眠っていたキャラクターを引き出しながらも、フォローも忘れず、メンバーからの信頼も厚い。
 「キン肉マン」や「野球」といった、オードリーの2人が好きなジャンルをメンバーに“強要”するも、決して不快にさせることが無い“絶妙な塩梅”は、生粋の日向坂ファンも唸らせている。番組放送後にはネット上に「若林にハマりたいかとし(加藤史帆)の一途な想いが健気!」「若林さんとの絡みでメンバーの潜在能力が引き出されている」といった称賛の声が溢れている。

 『あちこち~』や『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)は、いわゆる「裏回し」と呼ばれるポジション。『あちこち~』では、春日が“大将”としてコーナーの仕切りなどを表向きの進行を行う一方で、ゲストとのトークの回しはほぼ“常連客”の若林が担当。『しくじり先生~』でも“担任”という立ち位置で、“先生”の話をサポートしながら、“生徒”にコメントを振るなど、メインを立てながら、周りを生かして番組を盛り上げている。そのほかにも、南原清隆がMCを務める『ヒルナンデス』(日本テレビ系)、内村光良がMCを務める『スクール革命』(日本テレビ系)においても、周りの出演者との調整役に回るポジションを形成。ときに「IKEAのイスを破壊」などのパワープレイに出るなど、縦横無尽にその役どころを変えている。

 またMCと言われると少し違う部分もあるが、『セブンルール』(カンテレ・フジテレビ系)では、YOU、青木崇高、本谷有希子という異なるジャンルで活躍している3人と共に、VTRを見てコメントするという特性があり、司会進行というよりもコメンテーター的な立場。フランクにボケたりツッコんだり、自分のエピソードを話すなど他の番組とは異なる立ち位置で番組に臨んでいる。

 上記のように、素人、女性アナウンサー、アイドル、俳優、大御所、お笑い芸人などどんな共演者に対しても、巧みに自分自身の色を変えながらも存在感を残す、そんなカメレオンのようなMC力が、若林の最大の魅力と言えるだろう。