想像を絶する悪夢の「奇祭」とは… 「ミッドサマー」21日公開

引用元:夕刊フジ

 【話題の映画ウラのウラ】

 よく一番怖いのは、お化けではなく人間だといわれる。まさにそれを体現するスリラー映画が21日公開の『ミッドサマー』だ。

 オープニングからしてゾクゾクさせる。アメリカで暮らすダニー(フローレンス・ピュー)は心を病んだ妹から、「パパとママも一緒に行く、さようなら」という電話を受ける。家に駆け付けると血だらけの3人の遺体が…。

 ショックを受けた彼女は、恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)からスウェーデン旅行に誘われる。一緒に行くのは人類学と民間伝承に興味を持つジョシュと、人付き合いが苦手なマーク、そしてスウェーデンからの交換留学生のペレ。一行はペレの故郷で90年に一度、夏至に行われる奇祭の話を聞き、興味をそそられる。

 外の世界とは隔絶された村で、不思議な儀式を行う人々に初めは魅了されるが、崖から老人2人が身を投げても平然とする彼らにショックを受ける。それは想像を絶する悪夢の始まりにすぎなかった…。

 タイトルからは想像もできない、明るい陽光の下で繰り広げられる忌まわしい祝祭と究極の恐怖を考え出したのは、デビュー作『ヘレディタリー/継承』で一躍脚光を浴び、ハリウッドで最も期待されるアリ・アスター監督。

 古代北欧のルーン文字を取り入れ、描かれた恐ろしい壁画と同じことが実際に起きるという土俗的な神話と因習など、アスター監督は今村昌平監督の『神々の深き欲望』を参考にしたという。

 この映画を見れば、人間がいかに恐ろしい存在であるかが納得できるだろう。(望月苑巳)